第61回油屋熊八翁碑前祭に70人

神事でお祓いを受ける参加者ら
祝辞を述べる岡原文彰宇和島市長

 別府温泉発展の礎を築いた油屋熊八翁を偲ぶ「第61回記念油屋熊八翁碑前祭」が1日午前11時半、別府公園で開催され、約70人が出席した。
 油屋熊八翁顕彰会副会長の梅野雅子別府市観光協会長が「先月、ラグビーワールドカップがあり、別府も多くのお客さまが来ました。熊八翁の『旅人をねんごろにせよ』の精神が、私たちの心にも生き続いていると思います。これからも、次世代につなげたい」と開式のことば。
 八幡朝見神社の神日出男宮司が、神事を執り行った。翁の遺族として長男の油屋正一、和子夫婦、長野恭紘別府市長(油屋熊八翁顕彰会会長)、岡原文彰宇和島市長兼宇和島市観光物産協会長、西崎徹宇和島市観光物産協会総務部部会長、萩野忠好別府市議会議長、原田孝司大分県議会議員ら20人が玉串を捧げた。
 神事終了後、長野市長が「これまで油屋熊八翁の恩恵で生きてきたところがありますが、これからは油屋熊八翁の偉大な精神を引き継いで、本当の意味で我々が汗をかいて、別府市、大分県の観光をつくっていかないといけない」とあいさつ。
 来賓の岡原宇和島市長が「かつて油屋熊八翁が、この地域で道を切り開いたDNAをお持ちの方々の思いを実際に感じることができ、感激しています。幕末に生まれた熊八翁の斬新で多彩なアイデアは、時代を越えて現世においても感服するものばかり。9月には、熊八翁のミュージカルが、宇和島公演が実現し、宇和島市民に感動を与えてくれました。改めて、熊八翁の偉業を確認しました」。
 萩野別府市議会議長は「熊八翁の卓越したアイデアと熱意とボランティア精神に、頭が下がる思いです。『旅人をねんごろにせよ』の精神は、別府市民に脈々と引き継がれており、国際観光温泉文化都市別府の先覚者である熊八翁に感謝と敬意を表します」とそれぞれ祝辞を述べた。
 最後に、遺族を代表して長男の正一さん(87)が「年に1回しか、別府に来る機会はありませんが、碑前祭を行う皆さんの支援をありがたく思っています」と謝辞を述べた。
 また、前日の10月31日、正一さんと和子さんの来別を記念して歓迎祝賀会が行われた。

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