令和元年第4回別府市議会定例会は16日午後、一般質問で泉武弘氏(行財政改革クラブ)、平野文活氏(日本共産党議員団)、市原隆生氏(公明党)が障害のある人もない人も安心して安全に暮らせるまちづくりの取り組み、学校給食調理場、学校給食費の公会計化について質問した。
共に生きる条例本質に迫る
泉武弘氏(行財政改革クラブ)
泉武弘氏は障がいのある人もない人も安心して安全に暮らせるまちづくりの取り組みについて「当時、この条例制定にたずさわった人は『条例は作ったけれども…に、ならないように是非ともしてほしい』という言葉が残っている。バリアフリーは、共生社会の実現に向けて、可能な限りの速度で着実に進んでいると思う。部長、課長の統一見解なのか」と質問。
中西康太福祉共生部長は「福祉共生部としての意見で結構です」と答えた。
泉氏は「単車で市内の歩道実態を見て回った。野口原実相寺線は歩道上に電柱が23件、信号の柱が5件、標識柱が4件、その他の看板など5件、バスの時刻表が8件あった」と一例を挙げた。
そのほかの場所も調査しており、高齢者が歩道ではなく車道を歩く場面もあったという。
「これが、あなた方が言っている共生社会、誰にでも優しいまちづくり、共に生きる条例の施行の実態。今、私が言ったことと答弁書との乖離(かいり)をどう見るか」と厳しく追及。大野積善障害福祉課長は「事業は進行している。遅れているものは、着実に一歩一歩進んでいる」と答えた。
泉氏は「あなたたちが作った条例でしょう。公園のバリアフリーの実態だが、トイレなどに段差がある。障がい者にトイレは使えないと言っていることと同じ。条例は作ったけれども…と言われても仕方ない」とさらに語気を強めた。
このほか、改革の進捗状況などについても質問した。
学校給食調理場について
平野文活氏(日本共産党議員団)
平野文活氏は学校給食調理場について「平成30年12月の定例教育委員会で突然、別府市学校給食施設のあり方検討委員会の設置が提案された。今年1月に設置し、市長選、市議選を経て、5月に意見書を提出。共同調理場の一元化がより効率的と判断された。検討委員会は、予算の計上も市長の提案理由もなしに設置しているのはなぜか」と質問。
稲尾隆教育部長は「昨年12月議会の質疑の中で、最優先の課題として対応すべきとの意見をいただいた。納得して検討委員会について年明けに設置し、学校給食施設の設備の運営などについて早急に方針を決定して、実行に移した」と述べた。
平野氏は「議会で答弁をしたから、予算を付けなくて設置をしてよいということになるのか」と質すと、稲尾教育部長は「設置については、一刻も早く取りかからないとの認識があり、地方自治法の規定に基づいて予算流用した。執行結果は、自治法に基づいて決算として認定してもらっている」と答えた。
平野氏は「予算の流用は、初耳。どんな予算を流用したのか」と質問。花木敏寿スポーツ健康課長が「スポーツ健康総務に要する経費の講師と謝礼金を流用した」と答えた。
「昨年12月議会に予算計上すれば表沙汰になり、市長選や市議選の争点になる。しかし、既決予算から流用すれば誰にも知られない形でできる。道義的に、こんなやり方は許されない」と述べた。
途中、長野恭紘別府市長が反問権を行使した。
学校給食費の公会計化
市原隆生氏(公明党)
市原隆生氏は学校給食費の公会計化について「どのような制度なのか」と質問。
花木敏寿スポーツ健康課長が「現在、学校給食会計は学校ごとに管理運営しており、給食費の徴収や管理、給食食材の購入などを行っている。給食費の口座振替に使える金融機関は、学校ごとに限定されている現状。公会計は、保護者からの学校給食費を徴収、管理、業務を自治体自らの業務として行う」と答弁。
市原氏が「導入時期は、どの時点を考えているのか」と質すと、稲尾隆教育部長は「文部科学省から公会計化を推進するように求められている。現在、教育委員会内に導入に向けたチームを設置し、先進事例や実施方法に対して協議をしている。教育委員会内での業務体制は元より、市長部局との連携体制の構築も必要。児童生徒の大量の出納情報を管理するシステムも必要。文科省のガイドラインでは、概ね2年と記されている。導入時期は、令和4年度から5年度のなるべく早期にしたい」と答えた。
市原氏は「市の一本化された会計の中で、それぞれの学校に合わせた支払いなどをしていくのは大変。だから、早く学校現場からこの作業を引き上げていただきたい」と要望した。
また、債権の扱いについて質問し、花木スポーツ健康課長は「滞納分については市会計のまま管理するので、今後も学校と教育委員会は保護者に依頼したい」と述べた。
このほか、中心市街地の賑わい創出などについて質問した。