令和元年第4回別府市議会定例会は17日午後、一般質問で松川章三氏(自民党議員団)、野口哲男氏(同)、松川峰生氏(同)が海外からの観光客の対応、観光行政、墓じまいなどについて質問した。
海外観光客の対応は
松川章三氏(自民党議員団)
松川章三氏は海外からの観光客の対応について「海外からの観光客のトラブルを目の当たりにして、英語さえ話せればよかったと思うし、話せないなら通訳アプリを使うのもよいと感じた。通訳する人がいないときは、通訳アプリを使うとトラブルに遭わないと思う。別府市は対応をどう考えているのか」と質問。
日置伸夫観光課長は「アジア系の団体客は夜間に出歩くことは少ないと言われてますが、今回のラグビーワールドカップ(RWC)では夜、多くの地元民と交流をしており、文化の違いを含めて貴重な経験ができたと考えている。これを契機に、引き続き誘客に取り組み、アジア圏や国内圏の対応が必要と思う」と答えた。
松川氏は「RWCでは、世界の強豪国がキャンプをした。そして、キャンプも大会も成功に終わったと思っている。その中で『レガシー』という言葉をよく聞いた。RWCで得たレガシーを今後、どのように活用するのか」と質問。
杉原勉ラグビーワールドカップ2019推進室長は「レガシーという言葉は2002年にオリンピック憲章の中に書き加えられて以来、使われるようになった。感動、交流、挑戦、誇りの4つのレガシーを得ることができたと考えている。一方で、インフラの整備、言葉や文化の違いによるトラブル、長期間にわたる交通規制などの課題もあった」と答えた。
このほか、空き家バンクなどについても質問した。
旅行客の動向について
野口哲男氏(自民党議員団)
野口哲男氏は観光行政について「JR別府駅構内に案内所があるが、ワンダーコンパスのような外国語対応できるものを作ることは、これからも検討してもらいたい。今回のラグビーワールドカップにおける別府市の成功は、市長を筆頭に苦労したと思う。市長に総括してもらいたい」と質問。
長野恭紘別府市長は「経済効果を含めて総括をしないといけないと思っている。レガシーはハードの部分が出来上がったので、市民による活用やスポーツ観光・誘致に有効。子どもたちが得た経験が、将来大きな花を咲かせてくれる」と答えた。
野口氏は「韓国旅行客の動向だが以前からの減少と比べて盛り返したが、今後は問題点をどのようにとらえているか」と質すと、日置伸夫観光課長は「韓国とは国家間のトラブルがあり、この状況は長期化すると思う。韓国に偏らない多角的な誘客が必要」と答えた。
野口氏は「これまでは日中友好協会が代表団を送って交流を図ってきた。中国との関係は、どうなっているのか」と質問。阿南寿和副市長は「文化交流もあり、積極的に関係を深めたい」と答えた。
最後に「別府市として、国が考える地方の観光産業の取り組み方を掴み、国にこうしたいと示すべきでは」と質すと、阿南副市長は「効率的に効果的に事業を進めていくために、しっかりと取り組んでいきたい」と答えた。
このほか、いじめ・不登校・虐待問題についても質問した。
墓じまいについて
松川峰生氏(自民党議員団)
松川峰生氏は墓じまいについて「別府市の直近5年間の墓じまいの届け出数は」と質問。
堀英樹環境課長は「市営墓地5カ所の閉鎖数は、平成26年度16件、27年度37件、28年度23件、29年度40件、30年度34件となっており、令和元年度は11月末時点で29件となっている」と答えた。
松川氏は「新規の墓地使用希望者数は」と質すと、堀環境課長は「市内5カ所の申し込み数は、26年度46件、27年度46件、28年度37件、29年度34件、30年度52件、令和元年度55件となっている」と答えた。
松川氏が「墓じまいの要因として、少子高齢化、未婚率、墓を守り継ぐ人がいないなどが増えている。他に考えられる理由は」と質問。堀環境課長は「墓地返還届に記載された理由は、継承者がいない、継承すべき対象者が市外や県外に住んでいる、継承者の高齢化などがあった」と答えた。
松川氏は「市営墓地の適正利用について、今後どのような啓発をしていくのか」と質問。
堀環境課長は「今後は市報や市の公式ホームページを通じて、広報活動を充実させていきたい」と答えた。
松川氏は「別府市の市営墓地は戸数が決まっている。これからは需要が増えると推測されるので、今後、どのような対応をするのか」と追及。安藤紀文生活環境部長が「今後は、再整備を図りながら効率的運用を推進するなどを考える」と答えた。
このほか、高齢化社会と多死社会などについても質問した。