明礬温泉湯の花製造技術保存会(飯倉里子会長)は、「おとなの湯の花教室~江戸時代から愛用されている湯の花の秘密を職人が教えます~」を15日午前10時から、みょうばん湯の里で行った。これまで、子どもたちの教室は行ってきたが、大人を対象とするのは初めて。32人が参加した。
観光客だけではなく、市民にもっと湯の花製造のことを知ってもらうのが目的。湯の花製造技術は、国の重要無形文化財に指定されており、藁や茅葺の三角形の独特の形をした湯の花小屋の中で温泉の蒸気である噴気と青粘土を利用して、湯の花の結晶を作り出す独特の技術。
江戸時代の前半、別府の地で日本で初めてミョウバン製造に成功した。ミョウバンは、占領や浄化、薬などに使われた素材だった。明治になると、外国から安価なミョウバンが入ってくるようになり、ミョウバンの製造過程で出来る結晶を「湯の花」として販売したことをきっかけに、湯の花製造が盛んになった。
はじめに、市文化財保護審議会の恒松栖委員が湯の花小屋の構造など説明を説明。座学と体験の2グループに分かれた。体験グループは、湯の里の職人に教えてもらいながら、湯の花の採取などを体験。また、湯の花小屋の作り方にも挑戦して、実際に藁を結び付けて屋根を作った。
最後に、鮎澤潤福岡大学理学部助教が明礬温泉だけで造られる湯の花の特徴などについて説明をした。チラシを見て参加したという市内の廣岡貴之さん(29)は「チラシを見て興味を持って、参加しました。機械ではなく、全て手作業ですごいなと思ったし、大変だなとびっくしました」と話した。