大分県内で初の感染を確認

県内での新型コロナウイルス感染者の発生について
緊急会見を開いた広瀬大分県知事

 大分県内で初めての新型コロナウイルス感染症患者が発生したことを受けて3日午後2時半、大分県庁で広瀬勝貞県知事が緊急会見を開いた。患者は30代の飲食店従業員の女性で、症状はあるものの、状態は安定しているという。大分県内では初めての感染者確認で、九州では福岡、熊本に次いで3県目。
 女性は都町にある「ラウンジサザンクロス大分」に勤務していた。2月23日に38・7度の発熱と頭痛、倦怠感があり、症状がおさまらないことから24日に医療機関を受診。その後も症状が改善しないことから25日には別の医療機関を受診したという。薬を飲んだものの改善せず、3月2日に再度医療機関を受診してエックス線検査をしたが、明らかな肺炎は認められなかったという。保健所から紹介してもらった帰国者・接触者外来を受診した際に、CTで肺炎像を確認。3日衛生環境研究センターでPCR検査を実施したところ、陽性反応が出た。現在は、感染症指定医療機関に入院している。
 発病までの2週間は県外渡航歴はなく、感染経路は不明。女性は22日まで出勤し、23日は大分市内のジムを利用していたことが分かっている。同居している40代男性は現在、症状はないものの、14日間の自宅待機を要請するとともに、PCR検査を実施する方向。また、10日から22日に店を訪れた人を濃厚接触者の可能性があるとみており大分市保健所が調査をしている。
 判明した濃厚接触者には、自宅待機を要請するとともに、14日間の健康調査として電話で体温測定と呼吸器症状の有無について確認を行う。店やジムについては、大分市が施設の消毒を行う。
 広瀬知事は「世界的に発生、感染拡大してから、我々としては、大分県でもいつ発生してもおかしくないという警戒感を持って対策の準備をしてきた。とうとう来たのかという感じ。接客業ということで、濃厚接触の機会が多かったのではと思い、心配している。気になる人は早く検査をしてもらうことが大事だ。万が一の時はどうするのか、我々としてはしっかり議論をしてきた。妙薬が見つかっていないという意味では、やっかいな病気だ。慌てず1つ1つ実行していく。県民の皆さんにも、丁寧な手洗いなどをして、感染予防対策にご協力をお願いしたい」と述べた。
 また、今後の対策については「皆さんにはこれまでも学校を休みにしたり、大型イベントの中止要請などをして、かなりの自粛をお願いしてやってもらっている。状況を見ながら、これまでの対策を引き続き行いたい。多くの人に正しい情報を流して、対応してもらいたい」と落ち着いて対応することを呼びかけた。

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