別府市社会教育委員会の会(長尾秀吉会長、15人)は、別府市地域学校協働活動の調査研究報告「子どもと大人が共に学び合い地域をつくる 地域学校協働活動の活性化にむけて」を24日午後1時半、寺岡悌二教育長に手渡した。大分県社会教育委員連絡協議会・地域コミュニティー活性化モデル事業。
「自尊心や身近な地域社会(人間関係)を大事と思える心は、協働活動なくしては手に入らない。協働活動がなければ地域社会を維持していくことは困難」として、別府の地域学校協働活動に何が必要なのかを調査し、考察をまとめた。
平成30、31(令和元)年度に小中学校運営協議会委員11校約110人、地区公民館のコーディネーター5人に対して、学校・家庭・地域の協働活動の特徴的な取り組みやコミュニティースクール(CS)の成果と課題、ひとまもり・まちまもり自治区形成事業などについて質問を行った。ある程度連携が出来ているケースもある一方で、学校間で対応に差があることが調査結果からうかがえる。
「地域と学校をつなぐ架け橋となる公民館コーディネーターの機能が十分発揮できていない」と指摘。「『子どものために』と想いながら取り組んでいる活動のベクトルを、1つの方向に合わせ集中していくことで、地域の教育力をさらに高めることができるのではないか」と考察している。
報告書の提出には、長尾委員長、大鍜治光子、大林みどり両副委員長が出席。長尾委員長は「CSを導入して4年になるが、学校支援にとどまっており、連携・協働を目指したい。声をかけあって、団体の垣根を越えて助け合うネットワーク型の学校、地域運営をやっていければと思う」と話した。
寺岡教育長は「2年間にわたる調査、研究をしていただいた。地域の中にある学校、学校は地域のものであるという立場から報告をいただいた。中学校単位でモデル地区としてネットワークづくりが出来れば」と述べた。
市教委は令和2年度に選任のコーディネーター1人を採用し、いずれかの中学校区をモデル地区に指定して、学校と地域の連携・協働に取り組むことにしている。