竹本商店の事業を湯山工芸が承継

竹本さん(左)から堀川社長へ事業譲渡契約が交わされた

 昨年8月末に惜しまれながら解散をした製竹業の合資会社竹本商店の事業を有限会社湯山工芸(堀川誠代表取締役=馬場町)が承継し、事業譲渡されることになり19日午後1時、大分みらい信用金庫本店で契約調印式が行われた。
 竹本商店は明治の初めに大阪の堺市で卸・販売を営み、別府に移ってきてからは竹製品の加工・販売の会社として70年が経過。社長の竹本光一さん(89)は3代目だったが、高齢化や後継者がいないことから大分県事業引継ぎ支援センターに「誰か跡を継いでやってくれる人はいないか」と相談をしていた。
 しかし、特殊な業種であるということもあり、なかなか事業継承の相手が見つからずやむなく会社を閉じた。その後、事業拡大のため、移転先を探していた堀川社長がこの話を聞き、昨年12月に直接竹本さんを訪ねて、話をしたという。湯山工芸は竹製品の製造業をしている。
 調印式では、嵩地秀雄みらい信金常務理事が「竹本さんは竹工芸の第一線で活躍し、別府の竹工芸の発展に尽力される中で、ご苦労も会ったと思う。竹工芸の存続に関わる大切な継承だと思う」。朝来浩一郎県事業引継ぎ支援センター統括責任者補佐が「昨年4月に竹本さんから相談を受けてから、相手はなかなか見つからず、事業的にも難しいかと思いましたが、よい形で継承が出来たと思う」とそれぞれあいさつ。
 事業譲渡契約書を交わした。竹本さんは「やっとの思いで今日を迎えた」と安堵した様子だった。
 堀川社長は別府竹製品協同組合の理事も務めていて「工場の拡大のための移転を考えているタイミングだった。竹製造に関わる人が減る中で、将来的に引っ張っていければ」と話した。

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