別府市は、新型コロナウイルス感染症の影響で差別的な誹謗・中傷が起きていることを受けて、「STOP!コロナ差別」のポスターを作成したが、様々な角度から啓発をするチラシをさらに作成した。
産業政策課は、「私たちが闘うのは『ウイルス』であり『人』ではありません!」としてチラシを作った。市内で一部の留学生の会食による集団感染が発生したことで、一方的に留学生の入店を拒否したりするケースがあるという。感染した人は、保健所の指導のもとで入院や自宅療養で外部との接触を制限されることなど、正しい情報を知って理解することを求めている。
また、店舗向けに、新型コロナに従業員がかかった場合の対応についてのチラシも作った。発熱や風邪症状がある場合は出勤を控えて、医療機関を受診して指示に従うこと。もしも従業員に感染が確認された場合は、従業員の健康状態や勤務状況、客や他の従業員との接触状況など正確な情報提供を行うこと。保健所の指示に従い、消毒などを行うこと。保健所から、濃厚接触の疑いがあるとされた従業員がいる場合は、すみやかに自宅待機をしてもらうなどとしている。
さらに、飲食店等向けの新しいチェックリストも配布。店舗の衛生管理、従業員の衛生管理、利用客への対応など16の項目をチェックして、感染予防に努めるように呼びかけている。
各団体加盟店や別府エール食うぽん券、別府湯ごもりエール泊の登録事業所に配布。別府エール食うぽん券の登録店舗には、市職員が直接出向いてチラシを渡して啓発活動を行っている。
定期的な換気や消毒、客席を間引いて密にならないように各店舗で工夫をしているという。別府飲食業協同組合の山下政一理事長は「どの店も予防対応をしている。留学生をアルバイトで雇っている店も多いので、(留学生が来店しても)偏見などはないと思う」と話した。食うぽん券を使う人も増えているという。
ウイルスは、国籍や年齢などを選ばず、誰でも感染する可能性がある。市では、多様な文化を受け入れてきた寛容さをもって不確実な情報で差別的な誹謗・中傷をしないようにと促している。