奥別府にある別府市立少年自然の家「おじか」がリニューアルされることになり、10月11日からいったん休所して、ロッジなどの屋外施設を中心に改修を行い、令和5年の再開を目指すことが発表された。
「おじか」は阿蘇くじゅう国立公園に隣接して自然に囲まれた場所にあり、青少年の健全育成を目的に、昭和54年5月15日に開所。名称は、背後にある標高728㍍の小鹿山に由来している。周辺には、志高湖、神楽女湖の湖沼、湿原があり、遺跡も点在している。小中学校の宿泊学習を中心に、部活動の練習合宿、子ども会や青少年団体の相互交流などとして、多くの利用者がある。
しかし、建物の老朽化が進んでいることや新型コロナウイルス感染症の影響で、現在は宿泊業務が行えない状態にあることなどから、いったん休所にして利活用の仕方などを含めて検討を進めることにしている。
大自然の中で、他では体験が出来ない、集団生活の中での助け合いや相手を思いやる心、自然を楽しみ大切にする心を育むことが出来る、大切な体験学習の場。また、四季を通して、親子でふれあう教室を開き、受付開始すぐに定員に達するなど人気がある。昨年は開所40周年を迎え、利用者は昨年度末で延べ約89万人。令和元年度は160団体、延べ約1万5千人が利用した。
別府市公共施設再編計画の中では、既存の施設は多額の改修費などがかかるため、利用は困難として、老朽化した建物の維持更新は行わず、縮小する方針が決まっていた。そのため、宿泊棟や管理棟、研修棟、体育室は廃止する。
一方で、キャンプ場奥に2005年に建設したロッジなどの屋外施設を改修して、新たに宿泊型体験施設の場として活用できるように検討をする。ロッジは、2005年2月から3月にかけて、おじかのスタッフと市教委生涯学習課(現在の社会教育課)職員も組み立てを手伝った。福田正気所長も、当時、生涯学習課職員として組み立てに参加した。
休所中も施設周辺の草刈りや水質管理など定期的なメンテナンスは必要。現在勤務をしている指導主事(教員)2人と会計年度任用職員7人は、市教委内での配置転換となる。
多くの別府市民が一度は訪れたことのある、貴重な体験学習の場が新たな形で再スタートするための準備期間に入る。最終日となる10月10日は、主催事業の「おじか秋のつどい」を行うことにしている。