「我慢」が「自慢」に

 ▽1日10分間、自分自身に集中する▽夢や目標を明確にするため自問自答を繰り返す▽進むべき道を自分自身で決める▽心を燃やすため正しい道を見つけ出す▽決して孤独にならない―――アメリカ海軍特殊部隊NAVY SEALS(ネイビーシールズ)が戦闘中、「不屈の闘志」を作り上げるためのマインドトレーニングとして開発し取り入れたもの。
 コロナ禍を生き延びるため、私たちは「不撓不屈の精神」を養い、憎き新型コロナウイルスと闘いつづけなければならない。
 「北浜」が壊滅に近い打撃にさらされている。コロナ第3波の襲来は、不特定多数を迎える観光地を直撃する。多くの人は当初はひと事のように感じたのでは……。近接するや、我が身に振りかかる火の粉となった。「原因」を追求して非難はするが、積極的な対応には至らず、国家的な総合力の結集も醸成できず歯がゆい思いばかりが募った。
 県内外どころか海外からも多くの訪問者を迎える国際観光温泉文化都市「別府」、「GoTo」が拍車をかけて、自粛の不満が一気に暴発して誘発した第3波、感染拡大は当たり前だ。ただ「GoTo」や飲食宿泊を伴なうレジャーの促進は、非常時には有効な「内需拡大」を誘発する手段と人々は改めて悟った。これは異なる環境下ながら大きな収獲。反面、医療従事者、介護をはじめ各種学校、続いては観光を中心とするサービス提供者は常に感染という危険に晒されつづけている。
 日本は、経済大国とはいえ、国民1人ひとりの給付金、雇用、経営持続化給付金、特別融資策、金利補助、減免税措置、経営事業者支援―――対策のオンパレードだ。
 別府は雇用維持のために5百人の臨時採用を皮切りに、キメ細かに施策を展開している。直近の対策は、接待を伴う店舗の自粛要請と支援。北浜その周辺の手厚い支援は湯の街別府ならでは。ただし、範囲や業種の更なる拡大を要望する声もある。行政のみならず、料飲業界や会議所など経済団体も必死だ。
 北浜にとどまらず、料飲を提供する店は、観光の代表選手として別府を牽引してきた。
 コロナと闘うための「不屈の闘志」を築く手段その最後に「決して孤独にならない」とある。国都道府県市区町村ごと様々な分野で、コロナ恐怖に対応するため、1人ひとりの人間を決して「孤独」にさせない工夫や、対策は環境ごとに存在するというのも事実。
 非常時はいかに「我」と決別して「衆」と生きるかにかかる。対策を構築しても、それに従がわぬ人々もいる。今は没我の心構えが最優先。日本は大戦を生き抜いた国民。今の「我慢」は必ず近いうち「自慢」となってくる。  (陽)

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