図書館法施行70周年記念の図書館関係者文部科学大臣表彰の伝達式が12日午後1時半、別府市役所で行われた。大分県から唯一、高橋伸子公益財団法人徳愛会松本記念児童図書館「おじいさんのもり」館長(66)が表彰された。全国では76人。
当初は公益社団法人日本図書館協会主催の全国図書館大会で表彰される予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大により、大会が中止になった。
高橋さんは別府市出身で、現在も市内に在住。京都女子大学文学部東洋史学科を卒業し、昭和60年に「おじいさんのもり児童図書の館」(西野口町)が開館すると同時に、司書として勤めた。
「おじいさんのもり」は、児童書とそれに関連した図書約2万冊を蔵書し、緑に囲まれた静かな空間の中にある。故・松本得一氏(元大分ガス会長)の遺志に基づき、児童文化の向上に寄与することを目的として開設、運営されている。子どもの図書にかかわるモデルケースとして注目されている。
高橋さんは司書を務めると共に、県内外で講義をしたり後進の育成にも尽力してきた。別府市が新図書館等整備を行う中で、協議会委員として、長年培った経験から意見具申している。
阿南寿和副市長が表彰状を伝達し「子どもたちのためや、生涯学習のためなどいろんなテーマでご助言をいただいている。別府市も新しい図書館を整備しており、今後ともご協力をお願いします」とあいさつをした。
高橋さんは「司書を始めたのは随分前だが、昨日のことのように感じていたので、表彰をいただき、感慨深い。私は本が好きで育ってきた。昔はインターネットなどなく、読みたい本があっても簡単には手に入らず、読めるのは図書館だった。子どもたちがいつでも面白い本を手に取ることが出来る環境を作りたいと思った。現在は、新型コロナ対策で様々なことが出来ないが、これからも頑張っていきたい」と話していた。