市議会観光建設水道委員会が所管事務調査

贈収賄事件を受けて、上下水道局から再発防止策が提示され、委員会で話し合われた

 別府市議会観光建設水道委員会(市原隆生委員長、7人)は19日午前10時、所管事務調査を開き、朝見浄水場機械設備工事等にかかる贈収賄事件の再発防止対策等について上下水道局から説明を受けた。
 事件は朝見浄水場の次亜注入設備更新工事の機械設備工事で、当時の工務課長だった藤内泰弘被告が東伸エンジニアリングに有利となるよう便宜を図り、現金を受け取ったとされるもの。昨年3月に藤内被告は退職し、一度は再任用職員として上下水道局に勤務をしていたが、6月末に退職し、贈賄側の東伸エンジニアリングに再就職をしていた。
 11月には藤内被告を収賄で、江﨑廣海被告を贈賄の疑いで逮捕。今年2月8日に初公判が行われ、3月8日に藤内被告の、同18日に江崎被告の判決が言い渡されることになっている。
 事件発生の原因として▽特記仕様書及び図面に参考図として、指定製造業者を記載したことで入札の公平性が失われた▽特記仕様書における機器仕様の記載内容が詳しすぎて、製造業者が特定された。また、見積もり依頼は分野別に製造業者または専門工事業者から徴収していなかった▽公務員としての倫理観の欠如▽工事担当部署に機械専門職員がいなかったため、チェック体制がおろそかになっていたーことをあげた。
 その上で、今後は、特記仕様書に特定製造業者の記載を取りやめることや、設計手法を明解に運用するための設計指針等を整備すること、職員の倫理の在り方に関する研修や1人ひとりのスキルアップを行う方針を示した。
 契約に関する改善については、行政文書等の適正管理、契約・入札等関係事務の改善、全体の事務手続きや体制等の改善を図る。これまで諸会議の会議録をとっていなかったことから、昨年12月1日付で要綱を設置して、会議録を残すことを徹底する。
 委員会の冒頭、岩田弘上下水道企業管理者は「初公判による供述内容により、度々にわたっての高額な飲食接待費の支払いなど、新たな事実も判明したことにより、本市の上下水道事業に対する信頼を再び大きく損なってしまったことについて、非常に残念であり、申し訳なく思っています。改めて職員のコンプライアンスの徹底を図り、市民の信頼回復に努めていきたい」とあいさつをした。
 委員からは「随意契約について、別府市が作った新しいガイドラインがあるのだから、それに沿ってやるべき」「贈賄側の業者は、現在も朝見浄水場の管理運営をしている。すぐにかえてやれる業者はないと思っているが、指導、管理をしながら業者と話し合い、市民にどう理解してもらえるようにするかが重要ではないか」といった意見が出た。
 上下水道局は「別府市のガイドラインに沿って、今後は考えていきたい」と述べ、岩田管理者は「ご意見を真摯に受け止め、今後の運営管理について十分に話し合い、24時間365日、命の水を市民に供給することを最優先していきたい」と答えた。
 さらに、判決が決定したあとの退職金返納の流れや朝見浄水場の管理業委託における契約金額の増額についても説明が行われた。