74年の歴史と伝統は新中学校へ

2年生が学校の歴史をスライドと一緒に紹介して振り返った
財前校長(左)から校旗が返還された

 別府市立山の手中学校(財前昭仁校長)は22日午前10時、浜脇中学校との統合により74年の歴史に幕を閉じるため、閉校式を行った。
 山の手中学校は昭和22年、別府市立第一中学校として開校。昭和26年には、現在の「山の手中学校」に名称を変更。同29年に運動場が竣工し、翌年には第2運動場としてプールやテニスコート、バレーコートが出来た。その後も校舎を新築して、平成7年には大規模改修も行った。これまで、1万9914人が山の手中学校を巣立ち、各業界で活躍を続けている。しかし、生徒数の減少などから、浜脇中学校と統合し、新たに「別府西中学校」として生まれ変わることとなり、3月末で閉校となる。
 閉校式には、1・2年生188人と少数の来賓と新型コロナウイルスの感染予防を考慮して小規模での式となった。
 財前校長が「昭和22年4月に別府市立第一中学校として開校して以来、別府の中学校教育を牽引してきました。一番多い時で、36学級1800人が在籍をしていたと聞きます。私自身、出身の小・中学校はすでになく、母校がなくなるというのは寂しい思いだということは理解できます。山の手中学校は、地域に育てられた素晴らしい学校。卒業生にとっての母校は、それぞの胸の中にかけがえのない思い出として刻まれていると思います。伝統と歴史は、別府西中学校に引き継がれ、浜脇中学校とおりなす新しい校風の学校を作り上げてくれると信じています」と式辞。
 来賓の長野恭紘別府市長は「歴史ある学校が閉校するというのは、皆さんにはあふれんばかりの熱い思いがあると思います。先輩は県内外で多くの活躍をし、山の手中学校という名前と絆は、地域の財産として残ると思います」。松川章三市議会議長も「寂しい思いもあると思いますが、新しい別府西中学校として、浜脇と共に、新たな歴史が広がると思います」とそれぞれ祝辞を述べた。
 生徒を代表して、2年生の金﨑まいさん、ラシャンス麻弥さん、大沢萌恵さん、後藤ゆり乃さん、髙宮悠月さんが2年生が作ったスライドを使って、学校の校舎、授業風景、体育祭や文化発表会などの昔と今の移り変わりを紹介して「74年続いた歴史ある中学校ですが、私たちの代で閉校を迎えます。学校がなくなるのは寂しいですが、思い出は胸に残り続けます。ありがとう山の手中学校」と思いを語った。
 財前校長から長野市長に校旗を返還。閉会の言葉を述べようとすると、種子田空里生徒会長ら3人が立ち上がり「みんなで、学校にありがとうを言おう」と呼びかけ、会場にいる全員で「ありがとうございました」と述べた。明日は終業式が行われ、実質的に学校最後の日となる。