「星野リゾート界 別府」グランドオープン

ご当地部屋の「柿渋の間」

 星野リゾート(星野佳路代表)は温泉旅館ブランド「界」の18施設目となる「星野リゾート界 別府」が8日にグランドオープンするのを前に7日、報道陣向けの内覧会を行った。設計は、隈研吾氏。
 「界」ブランドは、「和」の趣を大切にしながら、心地よい上質な温泉旅館をイメージ。「界 別府」は、「ドラマティック温泉街」をコンセプトにしている。施設全体を温泉街として、和紙のちょうちんが彩るロビーや石畳が広がり、路地をイメージした廊下、昼と夜でその表情をガラッと変える仕掛けが盛りだくさん。
 昼間は、源泉とアロマオイルを使った「温泉ミスト作り」と、温泉の泉質や入浴法を伝授する「温泉いろは(ラボ)」などがある。夜は、ラボで観光名所の血の池地獄や海地獄などをイメージした「温泉モクテル(ノンアルコールカクテル)」、温泉の名人らとの語らいを楽しんだり、昭和レトロのゲーム「スマートボール」で遊んだり、スパイスを使って好みの辛さで楽しめる「地獄ラーメン」などを提供。
 朝には、「湯の広場」で、朝日と海を見ながら楽しめる足湯、温泉効果を高めるための現代湯治体操、豊後絞り体験(有料、要予約)も出来る。
 中庭では、不定期で「ながしのはっちゃん・ぶんちゃん」が演奏を披露し、ヨーヨー釣りや別府八湯をモチーフにしたオリジナルの輪投げなどのゲームが楽しめるコーナーも。地元有志が「ねんごろの会」を結成して、連携して情報発信を行う。
 界ブランドのおもてなしの1つである、ご当地の文化を体験する「ご当地楽(ごとうちがく)」では、和太鼓集団「DRUM TAO」の協力で温泉と桶から生み出された音色を奏でるホテルスタッフで構成された「湯治ジャグバンド」がパフォーマンスを披露。
 また、界ブランドのもう1つの特徴である「ご当地部屋」として「柿渋の間」を全室に展開。客室からは、海を絵画のように楽しめるピクチャーウィンドウになっていて、別府湾を臨むことが出来る。室内のヘッドボードやフットスロー、照明などインテリアにも豊後絞りを使用し、館内のいたるところに竹細工を活用している。食も地元のものにこだわり、特別会席「豊後なべ」を提供したり、「ご当地かき氷」では、かぼすかき氷を提供する。
 大浴場はあえて海が見えない場所に作り、泉質に合わせた最適な入浴方法なども紹介している。ぬる湯とあつ湯があり、壁は臼杵焼きの独特なものに仕上がった。
 星野代表は「九州は、大都市圏からの集約や外国人観光客の成長が期待できる。九州に重点的に施設を増やそうと5年前から取り組んできました。別府の開業は、重要な位置づけになる。温泉旅館の良さは、小規模で高いサービスにある」と話した。
 「界 別府」は全70室で、2人で1室利用の場合、1人当たり1泊2食付きで3万1千円から。