別府市は16日午後5時、記者会見を開いて新型コロナウイルスのワクチン接種で、80代男性に誤って3回接種を行ったと発表した。男性の健康状態に問題はないという。
別府市によると、男性は聴覚に障がいがあり、5月25日に障害福祉課の手話通訳と一緒に市保健センターを訪れ、接種券を紛失したと話たため、再発行して郵送申込で予約を受け付けた。
しかし、紛失していたと思っていた接種券は、男性が持っていて、かかりつけの医療機関に6月9日に持って行き、優先接種の枠で同月11日に医療機関で1回目の接種を受けた。医療機関は接種の実績を市にデータで報告。実績は市でVRC(国の接種記録システム)に登録したものの、市の予約システムと連動していなかったことから、市の予約システム上では接種実績があることを確認することが出来なかった。
男性は再発行された接種券を持って15日にべっぷアリーナで集団接種の1回目(通算2回目)の接種を受け、7月2日にはかかりつけの医療機関で2回目(通算3回目)の接種をしたという。市では、男性が集団接種会場に2回目の接種にこなかったため、その日の分はキャンセルとし、後日、通訳から本人へ2回目の接種の希望の有無を聞いたところ、「希望する」との返答があり、新たに予約を取った。
通訳が集団接種の件で男性と連絡を取ろうとしたが連絡が取れなかったため、16日、訪れているであろうかかりつけ医療機関に連絡してワクチン接種の件で男性に連絡が取りたいことを告げたところ、その医療機関ですでに2回のワクチン接種を終えていることが判明した。3回接種を受けたことについて、男性は特に認識はない様子だったという。
紛失したと思われていた接種券が実は存在し、再発行したものと併せて使用してしまったことや医療機関での接種は予約システムを介していなかったため、チェック機能が働かなかったことが原因とみられる。
市では、▽接種券再発行時に、紛失した接種券が出てきた際は古い接種券を廃棄することを再度徹底▽予診の際の確認の徹底ーを図り、再発防止に努めるとした。
会見には、内田剛・いきいき健幸部長、大野高之同部次長(新型コロナウイルスワクチン接種対策担当)が出席。内田部長は「再発防止を徹底しながら、安全で確実で速やかな接種を実施していきたい。ご本人の体調は良好ということだが、経過観察はしていきたい」と話した。