別府市議会は、令和3年第3回定例会の本会議を3日午前10時から再開し、上程中の決算以外の議案質疑を行った。手束貴裕氏(自民党議員団)、荒金卓雄氏(公明党)、美馬恭子氏(日本共産党議員団)、泉武弘氏(行財政改革クラブ)が、防災対策や新型コロナウイルス感染症対策、学校のICT環境整備などについて執行部の考えを質した。
手束氏は、地域防災に要する経費について概要を質問。
中村幸次防災危機管理課長は「6月に大分県から想定区域が示されたことを受けて、高潮ハザードマップを作成する。防災備蓄倉庫整備については、分散配置を基本的な考えとし、3カ所の整備を行う」と説明。
スペースの有効利用について重ねて質問。白石修三防災局長が「併設するスペースは、支障のない範囲で市民に利用してほしいと思っている」と述べた。手束氏は「備えが重点ではあるが、市民が利用することで防災意識の向上につながると思う」とした。
荒金氏は、PCR検査センターについて、検査数の内訳などを質問。
樋田英彦健康推進課長が「8月31日現在で、PCR検査は9421人で、市民は7581人、その他1840人。抗原検査は4405人。市民は1796人、通勤・通学など1057人、観光客など949人、その他603人。無症状者は全員受け入れている」と説明。
荒金氏は、開設時と合わせて約4億8千万円が一般財源を財源としていることについて「県や国に補助金などの要望をしてもらいたい」とし、センター職員の感染予防対策についても要望した。
美馬氏は、感染症対策業務の従事員の雇用に関する経費について業務内容を質問。
河野伸久職員課長が「本庁や学校、図書館、公民館など公共施設における消毒作業や民間施設への消毒液の配布などの業務をしている」と説明。
美馬氏は「とても重要な業務だと思っている。半年間の雇用延長だが、何故、当初から1年雇用の計画をたてなかったのか」と重ねて質問。
河野課長は「新型コロナは未知の感染症であり、収束の予測がつかない中で半年間としていたが、いまだ収束の目途が立たず、業務を継続することにした」と答えた。
泉氏は、市営北浜温泉の廃止について「反対するつもりはない」とした上で、「入浴料に対して管理料がかかり、入れば入るほど赤字になる施設。箱ものを作ることの大変さと行政が経営に乗り出すことの危険性が示された。公の施設について、果敢に見直しをすべき」と指摘。
「健康増進、維持、体力回復のため使っている人が沢山いるという現実がある」とし、市の経営努力不足についても苦言を呈した。
今後の利活用についても質問。松川幸路観光・産業部長は「サウンディング調査などで様々な提案を受けつつ、利活用を考えていきたい」と答えた。