別府市は2日午後2時、協働のまちづくり講演会をビーコンプラザで開催した。約90人が参加。
持続可能なまちの実現に向けて、今できることについて考えるきっかけにしてもらおうと、一般財団法人自治研修協会と共催で行った。講師は高崎経済大学(群馬県)の櫻井常矢教授で、テーマは「実践に学ぶ これからの地域づくりへのヒント」。
はじめに、松﨑智一別府市副市長が「櫻井教授には、これまでも様々な研修などで、まちづくりに関わることでご尽力をいただいています。まちづくりに関しては、全国的な課題ですが、人口減少、少子高齢化は避けて通れない。自然災害や感染症といった新たなリスクも出てきています。別府市としては、中規模多機能自治を進めており、7自治区で協議会が立ち上がり、全体で取り組めるようになりました。知恵を出し合いながら、新たなステップに入っていけるようにしていきたい」とあいさつ。
櫻井教授は「地域づくりが必要となる理由がある。今まで通りのやり方を続けていたのでは、地域の暮らしを維持することは難しい。地域の力がないと解決できない課題が増えている。ここに、地域づくりを求めるたった1つの理由がある。地域の暮らしを支えること、地域の課題を解決することを地域づくりという」とし、他市の取り組み事例をあげながら説明。
「人口減少時代に大事なものは、補完。これからの地域づくりは、前を向いてはいけない。足元や後ろを向く。補完という発想を前に進めるためには、足元を見る、後ろを見ることが大事。新しいことをやらなければいけないということではなく、日本の地方自治の基本的な考えに立ち返ることが大切。元々の組織がガタガタで前に行くときつくなる。『地域課題』は悪いものばかりではなく、良いものも含めて地域の課題ととらえる。厳し中にも、守りたいもの、大切にしたいものはあるはず。それを見出していくことがとても大切。地域課題は1人ひとり認識が違う。思い込みはよくない。みんなで話し合うことが大切。沢山意見が出て、整理が難しくなると思うだろうが、数の多い順番に上から3つか4つに絞り込み、その課題を事業活動として取り組む。出来ないことを言える団体は、出来るところとつながれる。出来ないことを言えない人は協働は出来ない。できないことが言えれば協働できる」と話した。
自分が変わるというのが、協働の本分であり、今まで通りのやり方を続けていくのではなく、少し自分を変え、やり方変える。ともに話し合いながら、新しい役割を見出すことが「協働」との考えを示した。