別府大学は九州学第3回「ONSEN WORKATION(温泉ワーケーション)新しい世代の働き方」を9日午前9時、同大学32号館400番教室で開催し、文学部、食物栄養科学部、国際経営学部の約200人(オンライン含む)が参加した。
講師は、ビッグローブ株式会社新規事業本部第3室所属の柴田雅大さん。
ビッグローブは、全国の温泉地と企業をワーケーションでつなぐ「ONSEN WORK」を展開している。今年5月、サテライトスオフィス「ビッグローブ ワーケーションスペース」を鉄輪に開設。柴田さんは、最初の駐在員として「温泉地でのワーケーション需要開拓」の戦略作りなどに取り組んでいる。
飯沼賢司別府大学学長のあいさつ後、柴田さんが新しい世代の働き方やワーケーション市場として別府などの可能性について説明した。
ワーケーションとは、Work(ワーク、仕事)とVacation(バケーション、休暇)を付けた造語。リゾート地や地方など、普段の職場とは異なる場所で働きながら休暇取得を行うこと。あるいは、休暇と併用し、旅先で業務を組み合わせる滞在のこと。仕事主体と休暇主体の2つの概念が存在する。
新型コロナ前の働き方は①出社(満員電車に揺られオフィスまで出社)②オフィス(オフィスや客先にて会議や打ち合わせ)③帰宅(公共交通機関で自宅まで帰宅)。しかし、新型コロナウイルス感染症で、その前提がすべて覆ったという。コロナ後は、働く場所や時間にとらわれず、仕事に使うツールもメール・電話・紙の資料からチャットツールや各種デジタルツールへと変わっている。
メリットは「従業員は、働く場所の自由度が高まるだけでなく、働く環境や時間など多様な働き方が可能になり、休暇取得推進や健康の維持増進の機会になる。企業、受け入れ側にもそれぞれある」と述べた。
現地ならではの活動として▽温泉宿のネットワーク整備▽別府の事業者のPRの手伝い▽現地の人や企業とのイノベーション活動―をしている。
新しいワークスタイルとして「働き方は大きく変わり柔軟になり、どこでも、いつでも働ける環境が整い始めている。ワーケーションという働き方が注目され、従業員、企業、地域の抱える課題が解決される可能性がある。また、温泉の価値は企業や働く人にとって大きなもので、温泉の可能性は無限大」と述べた。
そのほか、企業の生き残りを難しくしている6つの要因、Z世代などについて説明した。