別府市は26日、2020年の観光動態を発表した。総観光客数は442万7103人で、前年と比べ46・9%減となった。平成22年の統計方法変更以来、過去最低となった。
日帰り客は306万9553人(前年対比47・9%減)、宿泊客135万7550人(同44・5%減)。要因は、世界的に猛威を奮っている新型コロナウイルスの影響によるものが大きい。昨年は4月に緊急事態宣言が全国的に発令され、ゴールデンウイーク期間に重なり、観光客や帰省客が大幅に減少。GoToキャンペーンで一時的に回復したものの、1年を通してみると、客足の減少に歯止めがかからず、厳しい状況となった。
一方で、修学旅行客については、旅行先を近場に変更する学校が増えたことで、県内や九州他県の小中学校を中心に別府市を訪れる学校が多くなり、40・4%増加し、5万9300人になった。
地域別では、福岡県が32・1%と最も多く、県内16・3%、関東12・3%、近畿8・7%、中四国7・6%、中部3・5%、北海道・東北1%、その他九州14・7%となっている。外国人観光客数は6万7192人(同89・2%減)で、韓国、台湾、香港、中国、タイの順になっている。観光目的での入国規制は続いていることから、今後も海外からの観光客の回復には時間がかかると見られている。
1人当たりの消費額(大分県の数値を活用)は、日本人宿泊客では2万2864円(同16・2%減)、同日帰り客4106円(同20・2%減)、外国人宿泊客2万8336円(同24・6%増)、同日帰り客4238円(同5・3%増)。
主要観光施設19施設の入込客数は252万1752人(同49・4%減)だった。
長野恭紘別府市長は「数値を見ても分かるように、新型コロナの影響とはいえ、かつてない災害級の打撃を痛感している。しかし、緩やかではありますが、県内・市内の感染状況も落ち着きつつあります。ワクチン接種後のブレイクスルー感染や、変異株のニューデルタプラスの感染などによる第6波以降の感染拡大に予断を許さない状況は続くため、感染対策を継続しつつ、コロナ疲れを癒せる豊富な温泉資源やお客様を安心して安全にお迎えする体制は整っているので、別府を選んでいただき、また別府に戻ってきていただけるよう、反転攻勢に向けた効果的な取り組みにも注力するなど、別府観光の復興に一歩一歩着実に前進していきたい」と話した。