佐伯市の「オーガニックシティー」宣言

「オーガニックシティー」を解説する田中利明・佐伯市長

 別府、佐伯両市が結んだ宿泊プラス飲食優待企画は、観光別府と食材の宝庫佐伯をつなぐ、広域観光ルートの地域間事業。
 「これから本格的にスタートする佐伯の観光産業育成に多大の効果を期待するとともに、懐の深い県を代表する別府市の観光施策。長野恭紘別府市長はじめ皆様に心から敬意を表します。またこの事業県下各市町村にさきがけての発想と、コロナ収束をめざした取り組みです。我々も全力で別府観光を応援させていただきます」―――県下屈指の元気印で知られる田中利明佐伯市長の弁。
 現在、佐伯市政がその政策課題として取り組んでいる「さいきオーガニックシティー」構想について聞いてみた。佐伯市は「オーガニック憲章」と銘打って、SDGsを当地の実情にあわせて対応。「オーガニックシティー」の推進で地方創生の目標を達成させたい考えだ。第2次佐伯市総合計画で「経済」「社会」「環境」の3分野に分けている。
 ▽経済では、中心市街地の活性化・農林水産・観光産業の振興・産業人材の育成・地域が輝くまちの創生など8項目。
 ▽社会では、健康増進の充実・子どもたちが健やかに育つまちづくり・歴史文化の継承と市民文化の創造・「食」のまちづくり・新たな地域コミュニティづくりなど8項目。
 ▽環境では、豊かな自然環境の継承・自然共生・災害に強いまちづくりなど5項目。―――この3分野の成長戦略で相乗効果を生みださせ、ドラマティックに展開させていきたいと意気込む。
 「オーガニック憲章」は昨年3月に制定。その目的として▽水や空がよろこぶことをします▽森や土がよろこぶことをします▽心や体がよろこぶことをします▽いのちがよろこぶことをします▽みんながつながることをします―――と分かり易い言葉で市民に語りかけている。
 また、佐伯ブランドの代表格は自転車でのツーリング。過去30回にわたり「ツールド佐伯」を開催し、田中市長ご自身が「自転車を活用したまちづくりを推進する全国市町村の会」会長として、別府とコラボを予定する「ツールド九州」構想を打ち上げ、「ツールド・フランス」を意識して世界の門戸をこじ開けようと果敢に挑戦しているところ。
 佐伯市議4期、大分県議5期、市長2期目、40年を超える政治家人生。九州一の広さを誇るふるさと佐伯市、齢70にして全身全霊を込めた闘いはこれからも続く。