APU23年に観光系新学部設置を発表

2023年に行う学部改革について発表する米山学長代行

 立命館アジア太平洋大学(出口治明学長、APU)は18日午前11時、2023年4月に開学以来初めてとなる新しい学部「サスティナビリティ観光学部(仮称、設置構想中)を開設する予定であることを発表。併せて、既存の「アジア太平洋学部(APS)」と「国際経営学部(APM)」の教育改革も行い、教育効果を高めるための、新しい教室棟と国際教育寮APハウスを建設することも発表した。
 「APUで学んだ人たちが世界を変える」を実現するため、▽全学部共通の学びの拡充=3学部統一の初年次教育を拡充し、違いを残り越えて協働する手法を実践的に学ぶ▽4年間の学びを経験につなげる柔軟な仕組みと新しい学び方=新たに情報リテラシー科目を新設し、全員を必修とする。APUの人材ネットワークを活用し、柔軟な学び方を展開。全員が成長する全学教育の体系化と学部で身につける専門能力の明確化を図る。
 新しい学部は、持続可能な社会を実現する具体的な手法を持つ人材の育成を目的としている。環境学、資源マネジメント、国際開発、観光学、ホスピタリティ産業、地域づくり、社会起業、データサイエンスと情報システムの9つの専門領域から、学生自身が希望するキャリア、修得したい知識・能力に応じて組み合わせて学ぶ。
 目的や期間に応じて、フィールド・スタディや専門インターンシップ、専門実習の3種類の学外学修を予定し、いずれかを必修とする。来年7月から学生募集や選考を予定しており、定員は350人になる見込み。
 APSでは、集中、拡散、回遊、実践の4つの「学び方」を導入し、アジア太平洋地域の未来を構想する学びを世界をフィールドに展開する。APMでは、リーダーシップ、ダイバーシティとインクルージョン、創造性とイノベーション、社会的責任、グローバルな構想力の5つの価値を追求し、学生のニーズに応える実践型教育や、学部での学びを活かした実践的な課外活動の促進、多文化経験、国際経験を身につける。
 米山裕・学長代行(副学長)は「第2の創業ともいえる、大きな改革を行う。コロナの下でも留学生のAPUに入学したいという意欲は変わらず、オンラインで参加する学生を踏まえ、留学生比率46%を維持している。APUでは、2015年に『APUビジョン2030』を作成し、実現するためのチャレンジデザインを議論する中で、どうあるべきか真剣に考えた。今回の改革はビジョン2030の前半の第一歩。さらに第2弾の改革も考えている。これまで、『多文化の大学文化』を作り上げてきたと思う。そこで育った人が世界に出ることで、身近なところで世界を変えられると思う」と話している。