大きな横揺れ、最大震度4

 22日午前1時8分、日向灘(北緯32・7度、東経132・1度)を震源とする地震が発生した。
 最大震度は大分県、宮崎県で5強を観測、別府市では最大震度4を観測した。地震の強さを示すマグニチュードは6・6、震源の深さは45㌔㍍。津波の心配はない。この地震については、地震波検知から4・0秒後の1時8分48・8秒に緊急地震速報(警報)を発表している。大きな横揺れに見舞われた別府市内は週末の深夜、新型コロナウイルスのオミクロン株急拡大で在宅者が多いせいか、市街地や主要幹線道での混乱は報告されなかった。
 日向灘を震源とする余震は、午前9時までに23回発生している。
 日向灘を震源とする地震(震度5弱以上)は、2019年5月10日以来の2年8カ月ぶりで、震度5強を観測した地震はない。また、2017年6月20日に豊後水道を震源とする地震で、震度5強を観測している。
 気象庁は同日午前3時10分に記者会見をしており、「今後2、3日は規模の大きな地震が発生することが多くある。1週間程度は最大震度5強程度の地震に注意が必要。落石や崖崩れの危険性が高まっており、今後の降雨の状況にも注意が必要」と警戒を呼びかけた。また「南海トラフとの関係を調査する基準未満だが、注意深く監視している」と話している。
 大分県は同日午前1時10分、広瀬勝貞知事をトップとする災害対策本部を設置し、同2時30分から第1回会議を開いた。
 広瀬知事は冒頭「情報収集に努めたい」と話し、会議では県内で水道管の破裂が2件発生したと報告があった。けが人の情報は入っていないという。
 大分市の県道では地震直後、中央分離帯にあった街灯が倒れた。片側2車線の1車線を塞いでおり、警察官がドライバーに注意を呼びかけた。また、同市中心部の道路ではマンホールから水があふれ、一帯は深さ約10㌢㍍まで浸水した。現場は3車線で、車がマンホールのある車線を走行しないよう警察官が交通整理にあたった。
 各地の最大震度は、次のとおり。
 ▽震度5強=大分県、宮崎県▽震度5弱=高知県、熊本県▽震度4=広島県、山口県、愛媛県、福岡県、佐賀県、鹿児島県▽震度3=兵庫県、鳥取県、島根県、岡山県、徳島県、香川県、長崎県▽震度2=京都府、大阪府、和歌山県▽震度1=東京都、富山県、福井県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、奈良県

大きな被害報告なし

 別府市は、震度4の地震の発生を受けて22日午前1時20分、災害対策連絡室を設置。その後、体制強化のため、午前2時45分に災害警戒本部(本部長・白石修三市防災局長)に移行した。
 また、午前3時に、ふれあい広場サザンクロス、あすなろ館、西部地区公民館、中部地区公民館、野口ふれあい交流センター、朝日大平山地区公民館の6カ所を避難所として開設したが、深夜だったこともあってか、避難者は1世帯3人だった。
 避難者もいないことから、午前9時に避難所を中部地区公民館のみに縮小。午前10時現在、避難者はいない。
 災害警戒本部によると、この地震による人的、物的な大きな被害の報告はないという。