西クラブの5人が仲間を救う

救命の連鎖で仲間の命を救った(前列左から)5人

 別府市消防本部は人命救助功労者5人に感謝状を23日午前10時、市消防本部4階会議室で贈った。
 被表彰者は、南典智さん(48)=石垣東、公務員=、衣川かなえさん(43)=南町、会社員=、松元眞一さん(53)=南町、看護師=、安部早奈恵さん(43)=光町、主婦=、辛島宏和さん(62)=新別府、アルバイト=。
 功労は、令和3年11月25日午後8時30分ごろ、市立南小学校体育館で「西クラブ」がバドミントンの練習中、体育館の端で休憩していた同クラブメンバーの50歳代男性の様子がおかしくなり卒倒。それを南さんが目撃した。南さんが状態を確認すると、男性は心肺停止状態だったため、衣川さんに119番通報を依頼し、自らは胸骨圧迫を行った。同時に、松元さんが安部さんに体育館にあるAEDを持ってくるように依頼。AEDが届くと辛島さんに男性の体位を変えるなどの補助をしてもらい、パッドを貼付しショックを実施。その後は、南さんが人工呼吸、松元さんが胸骨圧迫を実施した。男性は、救急隊到着前には意識が戻り会話が出来るようになるまで回復し、搬送先の医療機関で治療を行い、4日後には軽快退院した。
 5人に感謝状を手渡した須﨑良一消防長は「体育館で卒倒した傷病者を発見し、皆さんが力を合わせて、119番通報、胸骨圧迫、AED、人工呼吸などを行っていただきました。まさに、消防本部が救命講習で指導しています救命措置のお手本となるような活動でございます。今回の事案は、皆さんの勇気ある行動あればこそ、傷病者の早い社会復帰につながったものであり、搬送先の医師から『消防本部は表彰し、救命行為を称えてほしい』と申し出がありました。別府市消防本部として、西クラブの皆さんの素晴らしい救命活動を『救命の連鎖』として、救命講習で推進し、別府市の更なる救命率の向上に望んでいきたいと思います」と謝辞を述べた。
 記念撮影後、表彰者を代表して南さんが「当時は『とにかく助けなきゃ』という気持ちで、無我夢中でした。その結果、みなさんのおかげで意識が戻り、嬉しい気持ちで一杯でした。また、過分なる受賞をいただき『助かってよかった』と『嬉しい』気持ちで一杯です。一生にあるかないかの出来事ですが、またこのようなことがあったら、勇気を持ってすぐ行動していきたいと思います。救命講習は以前受けており、その経験を活かせて、慌てずに自分が出来ることが出来ました」と話した。