別府市はこのほど、デジタル化の一環として取り組んでいるRPA(ロボテック・プロセス・オートメーション)とAIーOCRの令和3年度の進捗状況をまとめた。
RPAは、職員が行う定例的な作業手順をあらかじめ登録することで、職員に代わって業務を自動的に行うシステム。AIーOCRは、AI機能を備えた光学文字認識機能で、申請書などに手書きされた情報などを文字データに変換する時に、AI機能を活用することで文字認識の精度をあげることが出来るもの。
別府市は、令和元年6月に「BEPPU×デジタルファースト宣言」をし、市民サービス、行政運営、観光戦略の3つの分野で「デジタルの力」を活用した取り組みを展開している。
行政運営のデジタルファーストとして導入されたのが、RPAとAIーOCR。令和元年5月から本格稼働を開始し、元年度は34事業、2年度は59事業、3年生は87事業と徐々に活用できる事業を拡大してきた。現在は、保険年金、市民税、子育て支援、健康推進、職員、障害福祉、財政、介護保険、情報政策、契約検査、ひと・くらし支援、政策企画、資産税、学校教育、施設整備、債権管理の各課の事業と共通する部分で87事業を行っている。
その結果、年間作業時間が7627時間だったのが、活用後は1627時間となり、約6千時間の作業時間を縮減した。縮減率は78%となり、作業時間が減ったことで、別の作業や市民への対応に時間を使えるようになったという。
令和3年度は、新型コロナウイルスのワクチン接種の事務処理にも活用。医療機関から送られてくるワクチンの接種実績情報を別府市の予約管理システムに登録する業務、市外の人がワクチン接種をした記録をワクチン接種管理者システム(VRS)に登録する業務、予診票が正しく健康管理システムに登録されているかを確認する業務、別府市への転入前のワクチン接種状況をVRSから取得して3回目の接種対象の場合は、予診票を発行する業務を行っている。4つの業務での作業時間の縮減は725時間。
長野恭紘別府市長は会見の中で「令和4年度も利用範囲を拡大して、さらなる行政運営の効率化を図る。定例的な作業はロボットで自動化し、職員は人でなければできない業務に注力することで、働き方改革を実現するとともに、市民に寄り添う行政の実現に取り組みたい」と話した。