酒造会社縣屋の「竹乃宴」

「竹之宴」を開発・発売した縣屋の森栄司社長

 宇佐市安心院町の酒造メーカー縣屋(あがたや)は4月1日付けで新商品「竹乃宴」(たけのえん=希望小売価格1600円)を発売した。奇しくも同日、新社長に就任した森栄司さん(72)は「5月の連休明けから、別府市ふるさと納税の返礼品として売り出したい」と就任早々、意欲満々だ。
 縣屋は1712年(正徳2年)というから徳川吉宗将軍のころに創業した県内最古の酒造会社。令和2年3月に県の経営革新計画に承認され、2年かけて「竹乃宴」を開発した。
 大分県は麦焼酎の出荷数が日本一。また真竹の生産も日本一。この二つの日本一を掛け合わして誕生したのが「竹乃宴」だ。麦焼酎に、あぶるなどの加工をした真竹を漬け込むことにより、竹のスモーキー感と華やかな味わいに仕上げた。原酒にもこだわり、大分県が独自に開発した焼酎専用麦「トヨノホシ」を使用。水は名峰由布山系の伏流水を自社井戸でくみ上げて使用している。酵母は大分県が独自開発したカボス果汁から分離した「大分酵母」を使い、大分県らしい新商品となった。
 杉乃井ホテルに50年勤務した経験がある森社長は、別府市は竹の名産地だが、酒造会社がないことに着目。ふるさと納税の返礼品にできないかと、別府市政策企画課の行部さと子課長に相談すると、行部課長はマリンフーズ社(鉄輪)を紹介。「竹乃宴」にマリンフーズが提供するりゅうきゅうを付けるコラボ商品の計画が進んだ。
 森社長は「『竹乃宴』を発売するにあたり、経営革新アドバイザーから『竹のスモーキー感があり、非常に美味しいリキュールに仕上がった。ストーリー性、付加価値もあるので、もう少し価格を上げてもいい』と高い評価をいただいた。竹の香りをだすのに別府大学香りの博物館のアドバイスをいただいた」と語る。
 問い合わせは電話0978・44・0022。