大分県建築士会会長

家族仲よく「春の如し」

幸  勝美(ゆき かつみ)さん(67)

 6月に開かれた総会で会長に就任した。県建築士会は14支部あり、これまで会員数が最も多い大分支部から会長を選出してきたが、別府支部からは初めて。
 実は令和2年春に黄綬褒章を受章したとき、建築士会が推薦してくれた。「その恩返しの気持ちで会長をお受けしました」という。現在、建築士会は正会員約900人、賛助会員を含めると千人を超える会員を有す。
 「少子高齢化で建築士の数も減っています。一般の人に建築士の仕事を知ってもうらうため広報活動に力を入れます」
 その仕事とは「街並み保存」や「町づくり」を地域住民に提案したり、災害時に応急危険度判定をすること。熊本地震のときも大勢の建築士がボランティアで現地入りし、建物の危険度調査・判定した。
 昭和29年11月30日、別府市に生まれ育った。福岡大学建築学科を卒業後、長崎の建設会社に3年間勤務。同55年に幸建設に入り、平成10年から2代目社長に。県建築士会では理事、副会長を務めた。
 座右の銘は「父子気合わすれば春の如し」。父子が仲よくすれば春のように穏やかにものごとが進むという意味で、宮大工出身の先代社長、康生氏(故人)を目標としている。「宮大工としての父には追いつけないが、父子が仲よくするのは大事なこと」。石垣東1丁目の自宅に了子夫人、息子の康史さん、嫁の裕子さん、孫の5人家族で、康史さん夫婦とも1級建築士の資格を持ち、まさに「春の如し」だ。
 趣味はゴルフ。「人に言えるようなハンディじゃないけど、迷惑かけない程度」。地元の自治委員をしているほか、別府中央ライオンズクラブ元会長と仕事は多い。
 「建築士会は、建築士または建築士を目指している個人が入会する団体。大学教授や行政の職員などいろんな職種の人がいます。いろんな人と出会えることでいい勉強になり、人間的にも成長できる。準会員の制度もあるので、興味ある人はぜひ」と締めくくった。