全国的にオミクロン株の亜種で感染力が強いといわれている「BA・5」に置き換わりが急激に進み、感染が急拡大している。大分県でも連日、過去最多を更新し、新型コロナウイルスの感染が始まって以来、初めて1日の新規感染者が千人を超え、1113人となり再拡大。
感染状況を示す「ステージ」も「2」に引き下げたばかりだが、6月29日には4・3%まで下がっていた病床使用率も、感染の急拡大により、30・1%まで急上昇していることなどから、2週間で再び「3」に引き上げることになった。医療提供体制の維持のため、宿泊療養施設を13日から1棟150室、22日からはさらに1棟120室を追加開設。10棟1270室に拡充する。
県民へ行動制限は求めない方針だが、熱中症に気を付けマスクの着用、手指の消毒、定期的な換気など基本的な感染予防を呼びかけている。特に換気は重要で、猛暑が続く中で冷房を使用することで換気ができにくい環境になりやすい。換気が十分に行われているかどうかを確認するため有効な二酸化炭素濃度計をクラスターが発生しやすい幼児教育・保育施設や学校、高齢者施設など約3千カ所に配布すると共に、屋内スポーツの競技団体にも配布し、体育館等で開催される大会等で積極的に活用してもらう。
家庭内感染が続いていることから、健康観察を徹底するとともに、家族に1人でも具合が悪い方がいれば、躊躇なく仕事や学校等を休むことが重要。また、職場内での感染が増えている。大人数が集まる屋内では、2方向の窓を開け、扇風機も活用するなど換気を徹底するように呼びかけている。
広瀬勝貞知事は「千人というのは初めてのケースだし、非常に急速に伸びている感じがする。新しい段階に入っているのではという心配もある」とし「外出を自粛してくださいとか、外での時間を短縮してくださいということよりも、基本的な感染防止対策を1人1人にご協力を願うということが大事」と話した。
クラスターは▽別府市内の高齢者施設▽日田市内の高齢者施設▽大分市内の学校2校▽大分市内の幼児教育・保育施設▽大分市内の医療機関▽日出町内の学校▽豊後高田市内の事業所▽大分市内の事業所で確認され、関係者の検査を進めている。
12日の感染者の年代別では、10歳未満182人、10代167人、40代165人、30代153人、50代124人、20代122人、60代72人、70代68人、80歳以上60人。経路別では、不明391人、家族360人、施設127人、学校72人、職場69人、医療機関36人、知人26人、県外22人、会食10人となっている。
別府市の感染者は、過去2番目に多い97人。年代別でみると、10代16人、10歳未満と50代各15人、20代と40代各14人、30代11人、60代5人、70代4人、80歳以上3人。
別府市以外の市町等の感染者数は、大分市が約半数の511人、中津市94人、宇佐市93人、日田市65人、豊後高田市60人、由布市32人、佐伯市28人、日出町24人、臼杵市21人、竹田市20人、豊後大野市18人、津久見市13人、国東市11人、玖珠町9人、県外8人、杵築市7人、九重町2人だった。