2署合同の山岳救助訓練

由布市消防本部員3人と歩行可能な要救助者と一緒に下山した

 別府市消防本部、由布市消防本部、県防災航空隊の約50人は27日午前9時、由布岳(標高1583㍍)で2署合同山岳救助訓練を行った。
 別府市と由布市の境界には由布岳や伽藍岳などの山々が連なり、登山の人気も高い一方で過去には救助事案なども発生しており、迅速、的確な対応が求められる。別府市消防本部と由布市消防本部相互の応援体制の確立および大分県防災航空隊との連携をより強固にすることが目的。
 由布岳に入山した登山者2人が急傾斜付近で足を滑らせ、約20~30㍍ほど滑落したことにより負傷した。骨折などの症状がみられるため、自力歩行が困難。本人が所持していた携帯電話で119番通報。別府市消防本部が覚知したため、相互応援協定に基づく応援を由布市消防本部に要請するとともに大分県防災航空隊にも出動要請を行う―と想定。
 通報を受けた別府市・由布市両消防本部から隊員らが現場に向かい出動。現場に到着した両本部の救助部隊員が由布岳正面登山口から合野越に向かい、出発した。要救助者を発見後、名前やケガの状況などを確認し、滑落している要救助者の元に行くため、木を傷つけないよう養生して結び付けたロープを使って降りた。1人は右腕を負傷だが歩行可能、1人は腰部と足にケガをし歩行不能の状態と分かった。歩行可能な1人は救助後、由布市消防署員と一緒に下山した。歩行不能の要救助者はバスケットストレッチャーで急傾斜の下から救助。合野越まで運び、防災ヘリに引き上げた。
 訓練終了後、工藤英之由布市消防署長が訓練講評をし、訓練終了あいさつを井元隆文別府市消防署長が行った。