別府市にある食品・化粧品メーカーのサラビオ温泉微生物研究所(濱田茂会長)と愛知県にある国立研究開発法人国立長寿医療研究センター研究所のジェロサイエンス研究センター(丸山光生センター長)の研究グループが11月から共同研究を行う。28日午後4時過ぎ、濱田会長と丸山博士が広瀬勝貞大分県知事を表敬訪問して報告した。
今回共同研究するのは、サラビオが温泉が沸きだしている周辺から採取した藻の仲間の微細藻類から抽出したエキスを活用して、慢性炎症に効果があるかどうか。光合成をする課程で出る糖脂質が、加齢性の慢性炎症の抑制に効果があるか調べる。効果が認められれば、加齢に伴う疾患の予防につながる可能性があり、それが健康寿命の延伸にもなると期待されている。
大分県の健康寿命は、厚生労働省が行った2019年調査で、男性が73・72歳で全国1位、女性も76・6歳で4位となっている。広瀬知事は「男性は1位になりましたが、女性は4位。1位になってもこれからも1位を維持し、女性についてはさらに伸ばしていかなければいけない」と研究への期待感を示した。
知事への表敬訪問後、記者会見で丸山博士は「加齢に伴う慢性炎症のメカニズムが細胞レベルで検証ができればと大きな期待を持っている」。濱田会長も「『おんせん県おおいた』にふさわしい研究テーマだと思う」と話した。