豚肉加工の仏国家資格

「CAP」の免許を手にする山下梨沙さん

 別府市元町で「高麗房」を経営する山下守さんの長女梨沙さん(39)が仏の食品職人の国家資格「CAP」を取得し、このほど帰国した。
 梨沙さんは別府生まれの別府育ち。明星高校から京都の美術大学を卒業し、東京で社会人として働いているときテレビで仏の食料のドキュメント番組を見て、自分もフランスで「食の職人」になりたいと渡仏した。
 ボルドー大学で2年間、フランス語を学んでから就職。2年間修業した上で国家試験を受けるのが決まりで、梨沙さんは2017年に「CAP」、18年にハム、ソーセージ、パテといった豚肉加工専門職の国家試験「シャルキュティエ」に合格した。
 この資格を持つ日本人男性は何人かいるが、日本人女性は極めてまれという。こんな梨沙さんの頑張りは地元のテレビでも取り上げられた。
 ボルドーで7年間過ごした後、バスクでも3年間修業。
 フランスは滞在10年に及んだ。
 「ヨーロッパでの生活というと、かっこいい、あこがれと思われがちですが、そうじゃなく必死の10年間でした。毎日が修業・勉強でした。『シャルキュティエ』は日本でいえば肉屋さんで裏方の仕事。シンプルなフランスの文化、シャルキュティエの文化を日本の人にも広めたい」と梨沙さん。
 京都の美大で学んだだけに料理を作ることもアートだと思っており、いつの日か別府でもアートのような豚肉料理が食べられるかもしれない。楽しみだ。