岸田文雄首相の息子が公邸でおふざけ写真を撮られ公設秘書更迭となった。マスコミとくに週刊誌はマジギレ。首相の管理能力や指導力の欠如を揶揄する。倅がオヤジのもとでさわぐ位で、内閣総理大臣の指導管理能力を世に問うか。言って悪いが、私の知る限り、歴代総理の小泉純一郎、麻生太郎、故安倍晋三、御大は故橋本龍太郎の各氏は個性豊かな二世議員で若い頃の武勇伝は数知れず。自らの歴史に華々しい足跡を残し、あるいは残し続けている。「後継者」を育てるという側面があった。ただし後継育成費が「公費」というのはいただけなかった。公邸で若い者がおふざけの写真を撮る位で、目くじら立てるマスコミの方に品性の劣化を感じる。ただし、問題の公邸は「私的なスペース」と開き直るのはダメだ。
岸田氏は、人の声ばかりを気にして自分がない。人の意見に振り回されると批判つづきだった。ところがG7(先進国首脳会議)を核の被災地、広島で開催。平和記念館では各国首脳に核使用の悲惨さを知らしめ、犠牲者碑に献花を。さらに、核被災に対するメッセージ記載を促すなど、「前人未踏」の分野を切り開いた功績は目を見張るものがあった。G7直前は日経平均株価が3万円台を突破した。円安水準は日々上昇するインバウンド(来日観光客)への好環境となった。手放しで評価しているワケではない。ただG7という先進国首脳が集まり、形骸化して来た国際首脳会談に戦勝国相手に、嫌核平和への意識を構築しようとした意義は大きい。
加えて戦時下のウクライナからゼレンスキー大統領を招聘してウクライナ支援の輪をより強固なものにした。会議終了後各国は新たな支援策をそれぞれ具体化するというスピード感は確かな効果を収めた。
インド、ブラジルをはじめ東南アジア諸国の元首も特別参加して、日頃発言力の薄い地域の実情もこれに加えられた。
ステージを「5類」に下げたコロナ禍は深刻な感染拡大には至らず、変異株の脅威が懸念される。4年に及ぶ不況経済の立て直しを最優先に。さらに異次元の少子化社会の対応に、今だ具体策が出て来ない。少子化には子育て支援との表裏一体性が見えない状況にある。相次ぐ北ミサイルの脅威にポンコツアラートのままでいいのか。東南アジアへの覇権主義国家による海洋侵出、ロシアをはじめとする権威国家への対応……まだまだ論議されるべき超大型課題は山の如くある。
倅にふり廻されること自体が「過保護」の典型。少子化社会対策とは過保護を養成する施策ではない。お気付きの事とは思うが。
(陽)