東山パレット「10年の歩み」発行

「設立から10年が経ちました」と大野代表

 ふるさとの農地を守り、生き生きと明るい地域づくりを目標に、平成26年6月に結成された株式会社東山パレット(大野泰徳代表取締役社長)がこのほど、「東山パレット10年の歩み」を発行した。
 会社名の「東山パレット」は、東山の未来を描く土台という意味でつけられた。
 東山では、長年の減反政策や農産物価格の低迷などによる後継者不足、農業従事者の高齢化による耕作放棄地が増加するなどの課題を抱えている。農地と地域活性化を図るため農業法人を設立することになった。
 地区住民や出身者など関係者185人が出資している。東山1区、2区、枝郷、山の口、城島の5つの農村集落があり、集落協定の対象になっているのは、約43㌶。
 スタート時は1㌶だった米の作付面積は、10㌶にまで増え、カボチャ、サツマイモなどの野菜の栽培、市内の農家から受注して稲苗の生産、配達、ライスセンターの運営、田植えや稲狩り、草刈りなどの作業受託、加工品の販売、小学生の農業体験、別府市東山ハイキングコースの点検・整備など、幅広い活動をしている。
 冊子には、これまでの活動内容や、関係者の思いが綴られている。
 大野代表は「この10年間、いろんな事業に懸命に取り組んできました。しかし、農業を取り巻く環境は、いよいよ厳しさを増しています。農業後継者の不足も依然として深刻です。このような状況のなか、食糧自給率の向上、地産地消、自然保護など、農業の果たす社会的意義が改めて注目されています。農地を守り、生き生きと楽しいふるさとづくりに貢献しようというパレットの使命は一層重大になっています。これからも皆さんのご支援をいただきながら、事業の拡大、経営の安定化を図り、東山パレットの使命を全うするべく、役員、社員一丸となって努力していきます」とした。