ペット同伴専用避難所設置へ

会見する長野市長

 長野恭紘別府市長は25日午後1時半、市役所で定例記者会見を行った。
 会見では▽「就学前教育・保育ビジョン」の策定▽ペット同伴専用避難所の開設▽新しい休み方「たびスタ」休暇▽市制100周年記念動画の作成▽新湯治・ウェルネスツーリズム推進会議の設置▽明治座創業150周年記念明治座9月「純烈公演」の別府市後援について発表。9月1日から開会する令和5年第3回別府市議会定例会へ上程する議案の概要などについて説明をした。
 「就学前教育・保育ビジョン」は、公立幼稚園の適正配置、複数年保育の一部導入、認定こども園の普及促進などの検討が示された報告書を踏まえて策定される。幼児教育と保育の一体性を確保し、小学校へのスムーズな接続が図られるように努める。
 ペット同伴専用避難所は、以前から「家族からペットと一緒に避難したい」との声を受け、市獣医師会、おおいた動物愛護センター等と協議をし、試行的に野口ふれあい交流センター体育館に設置をするという。ペットの大きさや種類、ルールなどについては、今後、ホームページで公開するという。25区画準備し、テントで区切る。獣医師の常駐などはないが、必要なものをアドバイスしてもらって準備をする。
 また、中高年アイドル「純烈」の後援については、明治座からの依頼を受け、温泉スター「純烈」の公演を通じて全国にPRする。公演は9月8日から10月1日までの間、昼夜2回行われる。期間中の土・日曜日に入浴剤の配布や市制100周年ののぼりを掲げた観光案内ブースを設置する予定。
 また、補正予算で楠銀天街アーケード撤去費用を盛り込んだことを聞かれ、「原則論としていえば、他人のもっている所有物を公金を出して撤去するのは、やるべきではないと個人的には思っていましたが、従来の考え方にこだわって、答えを出さないことは、事態が前に進まない。しかし、100%公金を出すことは理解が得られないと思う。持続可能なまちづくりが示されたので、国にも一定程度の理解を得られているとおもう。すべての条件が揃って、やろうということになった。100%の納得は難しいかもしれないが、理解はしてもらえるようにしていかないといけない」と話した。

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新しい休み方「たびスタ」

 別府市は、新しい休み方「たびスタ(旅+学習)」休暇を9月からスタートさせる。
 長野恭紘別府市長は会見で「日本の観光の課題として、繁忙期と閑散期の差が大きいことにより、安定した雇用や観光需要の平準化が図られないことが挙げられ、別府市も同様」と指摘。一方で、別府市では観光業をはじめサービス業に従事する人が多いため、「保護者が祝休日に仕事をしているため、家族が一緒に過ごす時間が作りづらい。保護者の休みに合わせた子どもの休み方を検討し、家族旅行を推奨する取り組みを始める。家族旅行に限らず、旅は人を賢くすると言われ『旅育』という言葉もあるし、教育的観点からも重要」と話した。
 同様の取り組みを愛知県が導入するが、市が独自で行うのは、全国初とみられる。平日の旅行は、一般的に、渋滞に巻き込まれる可能性が低く、運賃や宿泊料金が安いなどのメリットが考えられる。
 対象は、別府市立の小・中学生。保護者等と市外に旅行をする場合に、申請をすれば取得可能。年度内3日まで利用できる。学校では「欠席」扱いにはならない。休んだ分の学習のフォローアップは、自主学習を中心に行うという。
 普段、観光客を受けれている別府市が市外への家族旅行を推奨することで、平日の旅行が一般化し、観光需要が平準化され質の高い休暇、安定的な雇用、地域経済の活性化、旅を通した子どもの成長に寄与できるものと期待されている。