第24回九州前方後円墳研究会大分大会(同大会実行委員会主催)が2、3日、別府大学3号館ホールで開催し、約50人が出席した。またオンラインでの参加もあった。
第21回大会から新たなテーマとして、集落を軸に古墳との関係を数回に分けて検討していくことになった。前回まで前期、中期、後期を検討してきたが、今回も引き続き、集落を軸にして古墳・古墳群との関係を検討する。今回検討の対象はメーンは7世紀(飛鳥時代)。後期段階で爆発的に増加した古墳は、7世紀に減少する。そのことと集落も対応して減少するのか、しないのかなどを研究する。
2日午後1時、田中代表幹事のあいさつ後、研究発表が行われた。
大野城市教委の上田竜児さんが「福岡県の博多湾沿岸」について発表した。
古墳について「福岡平野ではⅡ1期(6世紀前半)までで概ね新規造墓は停止し、Ⅱ2期(6世紀後半)以降に特徴的な古墳がある」と述べ、福岡平野西部、早良平野、糸島東部のものも説明。続いて、土坑墓などについても説明した。
「成果として、画期の抽出、東西差の抽出、背景に中央との関りや水城・大野城築城が見られた。課題として個別事象の詳細な分析などが挙げられる」とした。
3日も研究発表があり、最後に討論が行われ、司会を久住猛雄さん(福岡市埋蔵文化財センター)と文化庁の長直信さんが務めた。
各研究発表は、次のとおり。(敬称略)
【2日】▽大会での年代観について(大会土器編年検討部会代表発表)▽福岡県の博多湾沿岸(大野城市教委の上田竜児、山元瞭平)▽福岡県の大宰府周辺・筑紫野含む(福岡県教委の下原幸裕)▽福岡県の小郡市・大刀洗町・筑前町(小郡市教委の山崎頼人)▽福岡県の宗像周辺・宗像郡+糟屋北部含む(宗像市の太田智)▽福岡県の苅田町から山国川以北(文化庁の長直信)
【3日】▽佐賀県の嘉瀬川以東(佐賀県文化文化財保護・活用室の塩見恭平)▽熊本県(熊本市文化市民局の林田和人)▽大分県の大分・臼杵・佐伯・豊後大野(大分県教育庁の越智淳平)▽宮崎県(宮崎県立西都原考古博物館の今塩屋毅行)