別府市議会は、令和5年第3回定例会の一般質問を22日午前10時から実施した。
最終日の午前中は、市原隆生氏(公明党)と塩手悠太氏(有志の会)が福祉、被災者支援、総合戦略など幅広い分野で質問を行った。
介護を支える「人」
市原隆生氏(公明党)
市原氏は「介護人材不足は全国的に問題になっている。国が大幅な待遇改善をしないと解決は見込めないと思う」とし、「介護を支える『人』は、介護職員だけではないと思っている。サービスを利用する人を増やさない、介護職員の負担を減らすことだと思う。ボランティア活動でできないか」と質問。
阿南剛介護保険課長が「将来の高齢者だけでなく、現在の高齢者にとっても有益だと思うし、有効性を感じている」と答えた。
市原氏は「訪問した高齢者の話によると、デイサービスから帰って、次に行くまで誰とも話さないという人もいると聞く。空き家を借りたりしてお年寄りのサロンとかもできるかと思うがどう考えるか」と質問。
大野高之いきいき健幸部長が「人材確保は、市の取り組みだけで解決でるものではないと認識している。提案の集いの場を地域が提供することで認知症予防に効果があるのであれば、市全体の福祉増進に寄与するもの。同様の取り組みをしている団体もあるので、効果を検証したい」と述べた。
また、奨学金の返済が若い人の経済的足かせになっていると指摘。「複数の奨学金を借りている人が多いと思う。奨学金を返しながら勤めている若い人が結婚しようという気に、ならないのではと言われている。結婚に踏み切った時、チャラにしてあげるということでもない限り、少子化は解消しないのでは。問題意識を持ってほしい」と訴えた。
人材不足問題対策
塩手悠太氏(有志の会)
塩手氏は、「コロナの影響もあったとは思うが、介護人材、運転手不足、観光事業者の従業員不足など問題はより深刻化しているように思える。どう捉えているのか」と質問。
大町史産業政策課長が「少子高齢化が進む中、コロナ禍以降に全国的に顕著化している問題だと思う。求人を出しても人がこない、一方で仕事を探しているのに見つからないということがあると聞きます。条件が多様化している中、求める労働条件などが折り合わないことから、全国的に慢性的な人材不足が起きていると思う」と答えた。
塩手氏は、取り組みと成果についても質問。大町課長は「就労支援事業として、就職説明会を行っており、12月にも実施する予定。関係機関と連携を深め、より効果的な就職支援をしていきたい」と答えた。
塩手氏は、外国人人材の活用などについても質した。
また、塩手氏は「4年後には市の人口は11万人を下回る計算になる。人口減少をどのように考えているのか」と質問。
清末妙政策企画課長が「人口の自然減は全国的な現象。少しでも歯止めをかけるため、起業・創業や子ども政策を強化している」と答えた。
塩手氏は「人口が9万人となった場合、行政サービスと市民の満足感は維持できると考えているか」と質問。
清末課長は「効率的で持続可能な市民サービスのための施策を実施している。人口減少した場合でも維持していきたい」と答えた。