別府商工会議所はこのほど、4月から6月の企業景況調査を発表した。今回で39回目。
今回は、5月8日に新型コロナウイルス感染症が感染症法上の第5類に移行したことを受けて、コロナ禍で導入し、今後も継続して行う各種取り組みについて質問を行った。回答は複数回答としたが、最も多かったのは「(アルコール消毒・マスクなどを通じた)感染予防」が全体の60%だった。この回答率を「意外と低い」と判断したときは、3密回避やこまめな消毒という基本にもう一度立ち返る必要がある。
市内の会議所会員100社に、調査票を発送し回答を得た。調査項目は売上高、売上単価、資金繰り、借入難度、収益状況、雇用人員、自社の業況判断。
▽売上高=総合のDI(※DIとは、企業が「良い」と回答した割合から「悪い」と回答した割合を引いた数値。数値が高いほど良好)は35ポイントと前期調査の24を大きく上回った。前期はマイナス5ポイントだったもの造り関連も15ポイントと大きく改善した。
▽売上単価=売上高DI値と同じような動きを示している。総合では41ポイントと前期の22ポイントを19ポイント上回った。もの造り関連は前期と同じ値だったが、卸・小売業関連で22・5ポイント、サービス業関連は25ポイントと増加しており大きく改善を示した。特にサービス業関連が売上高DI値と同様に50に達した。
▽資金繰り=総じて厳しさが緩んでいきそうだと論じることはできない。総合はマイナス3ポイントと前期のマイナス4ポイントとほぼ同値だった。来期見通しもマイナス3ポイントであり油断できない状況が続いている。
▽借入難度=総合ではマイナスDI値を脱し切れていない。業種別では前期にプラスを示した業種は1業種(小売業15ポイント)だったが、今回は3業種(建設業20ポイント、小売業10ポイント、宿泊業10ポイント)に増加した。その一方で製造業10ポイント、卸売業20ポイント、医療・福祉業10ポイントとそれぞれ悪化している。
▽収益状況(経常利益)=総じて改善傾向が強まっていると理解しても良い。総合の今期は10ポイントと前期のマイナス2ポイントから12ポイント改善した。前期はマイナス値が建設業、製造業、小売業の3業種であったが、今回は小売業のみとなった。
▽雇用人員=相変わらずDI値は低空飛行となっている。マイナス30ポイント前後に張り付いたようなDI値が続いている。好材料を探すとすれば小売業がある。小売業の前期はマイナス35ポイントだったが、今期はマイナス5ポイントと大きく改善し、更に来期見通しでは5ポイントとプラス値に転じると予想している。
▽自社の業況判断=確実に好転している。総合は17ポイントと前期の9ポイントより8ポイントの改善があった。総合の来期見通しは13ポイントと2桁を維持するも、今期実績を4ポイント下回ると経営者はみている。