別府市が部課横断の組織立ち上げ

地域交通の確保のための
議論をする会議がスタートした

 別府市は、持続可能な地域交通を創るタスクフォースのキックオフミーティングを12日午後4時、市上下水道局会議室で開いた。
 タスクフォースは、緊急性のある問題の解決や短期的な開発を行うために、一時的に構成される組織のこと。コロナ禍の影響や運転手不足、燃料高騰、物流の2024年問題(ドライバーの時間外労働の上限が、法令上年間960時間に規制されることにより、さらなる人手不足が予測される問題)など、公共交通を取り巻く環境は厳しくなっている。
 一方で、地域では高齢化によって免許証を返納しても路線バスの廃止などにより、移動手段がないなどの問題がすでに一部で起きており、全国的な課題の1つとなっている。別府市内でも、山間部を中心に、オンデマンドタクシーやコミュニティーバスの運行などをしている。また、期限付きだが、夜間の移動手段を確保するための「ナイトバス」の運行や、扇山町が独自でグリーンスローモビリティの検討を始めるなど、様々な動きがある。
 移動手段の確保が困難になると、市民の日常生活への支障も懸念されるため、交通利用者のニーズに沿った持続可能な地域交通の実現に向け、庁内横断的に検討するための会議を立ち上げた。政策企画課を中心に、情報政策課、職員課、観光課、産業政策課、高齢者福祉課、障害福祉課、子育て支援課、介護保険課の職員16人で構成されている。
 長野恭紘別府市長が「交通体系の維持は全国的な問題であり、昼間の高齢者の移動、観光の町なので夜の移動ともに悲鳴が聞こえる。公共交通事業者にもご尽力、ご努力いただいていますが、厳しい状況が続いています。全体的に考えていかないといけない。ライドシェアが議論されていますが、一気に進むのは危険だと思っています。将来的に、事業者にしっかりと理解してもらうことが前提だと思います。世の中の動きにアンテナを立てながら、別府ならできるという意見をいただき、市民が不便のないように、観光客の2次交通、3次交通に苦慮しないように、いろいろな可能性を探っていきたい」とあいさつ。
 馬郡洋平国土交通省九州運輸辱大分運輸支局運輸企画専門官が道路運送法の体系について、佐藤浩司政策企画課参事が他団体の取り組みや別府市の取り組みを説明した。
 今後、構成する各課から課題や提案を受けて、議論を深めていくことにしている。