長年の懸案だった楠銀天街のアーケード撤去問題が解決に向けて動き出し、まちづくりの取り組みも動き出した。
楠銀天街は流川通りから永石通りまで約350㍍あり、一部アーケードが残っているものの、老朽化が著しく、危険な状況が続いている。市はネットを貼るなど応急措置はしているものの、早急な解決が望まれている。しかし、アーケードは、商店街の所有であるため、基本的には所有者が管理を行うこととなっていることから、これまで市は公費での対応に難色を示してきた。
一方で、撤去するにも維持・管理をするにも多額の費用が必要となるため、楠銀天街協同組合を引き継いだ「くすぎん通り会」も適正維持が難しく、沿道の建物の老朽化も進み、空き店舗や空き地も増えている。
これを受けて、南部ひとまもり・まちまもり協議会が受け皿となり、「楠銀天街検討委員会」を立ち上げ、若手を中心に協議会内に「まちづくり部会」を設置した。持続可能なまちづくりを地域で行うことを前提に、市は観光庁の補助金「地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化事業」も合わせて約1億円の補正予算を9月議会に上程し、可決されている。同時に、アーケードの下を通る市道日の出国分町線の道路整備も国土交通省の「都市構造再編集中支援事業」を含めて予算の議決を受けており、2工区に分けて実施する。今後、家屋の持ち主が工事開始までに道路部分にせりだした看板などを撤去する必要があるため、関係者に説明を行っている。
そんな中で、まちづくり部会は8月23、24日に5人で佐賀県唐津市の呉服町商店街や北九州市の魚町銀天街を訪れて、アーケード撤去後のまちづくりについて視察をした。いずれも商店街の組織がしっかりあり、キャッチコピーを決めていたり、統一感を持って運営をしていた。まちづくりを推進するための「まちづくりSIN楠銀」の梶原貴子委員長は「古きよきものを残しつつ、住民の理解を得ながらまちづくりをやっていきたい。多様性も大事にして、店舗が入ってくれれば。視察はとても良かった。アーケードが撤去された後の商店街をイメージすることが出来た」。後藤千明事務局長も「持続することの大変さを感じました。誰かが何となくやってくれるのではない。自分たちでやらないという意識になった」とそれぞれ話した。
その後、まずはイベントをしようと「Thanks Giving楠銀天街感謝祭」を11月26日午前11時から午後5時まで、商店街内で実施する。主な会場は、ポケットパークと渡邉富商店前。キッチンカー、マルシェを行う。商店街内でストリートライブを行う。また、事前申込が必要だが、竹のワークショップや楠銀今昔歴史ミニウォークも予定している。詳しくは、インスタグラムの公式サイト(@sin_kusugin
)でチェック、ダイレクトメール(DM)で申し込みを。