別府警察署(後藤久典署長)は25日午前9時20分、身元不明死体の歯牙鑑定功労者1人、行方不明者発見功労者1人、山岳遭難防止と捜索救助活動貢献者1人に感謝状を伝達および贈呈した。
表彰を受けたのは、石垣東在住で歯科医師の谷口英昭さん(81)=種田英明大分県警察本部長名=、石垣西在住で自営業の加藤一昭さん(72)=吉田一生大分県山岳遭難対策協議会長名=、日出町在住で公務員の津﨑崇さん(47)の3人。
感謝状を伝達・贈呈した後藤署長は「加藤さんは長年にわたり警察と協力して山岳救助・遭難救助のご協力ありがとうございます。おかげで、多くの命を救うことができました。退任された後も、先輩として警察に対するご協力をお願いします」
「谷口さんは警察嘱託歯科医として、犯罪捜査に尽力していただき変死体の解明、捜査の解明に尽力していただきました。退任されますが、今後も引き続き警察捜査にお願い申し上げます」
「津﨑さんはプライベートの中、高齢の女性を発見し、見捨てることなく直ちに発見確保する状況と素早く察知して警察へ通報ならびに警察官が到着するまで高齢女性を保護し人命救助していただきました」と述べた。
受彰した谷口さんは「これまで13件の身元不明遺体を特定してきました。昭和59年に当時の大分県警本部長の国松孝次さんが作り、60年に御巣鷹山の事故が起きて歯牙鑑定の重要性が注目され、全国の県警に嘱託歯科医ができました。大分県は先駆けて作られ、23人でした。東日本大震災の現場でも活動しました。これだけは長く続けようとしてきました。何かの役に立ったと思い、やれて良かったです。今後の後進の育成にも尽力をしていきます」と述べた。
加藤さんは、救助隊員として山岳遭難の防止と幾多の困難な捜索救助活動に献身的に尽くしてきた。加藤さんは「山は学生時代から登っていましたが、山岳遭難対策協議会別府分隊に入隊して28年経ちました。年に1回、警察と合同訓練をしていました。感謝状をもらい、区切りがつきました。管轄外でも応援要請があれば行っていました。祖母傾山系は山が深いから大変で、捜索隊の二次遭難にも気を付けていました」と話した。
津﨑さんは、雨が降る今月8日夕方、平道を車で通行中、道に迷った70歳代女性に積極的な声掛けをするなどして、女性の保護に貢献した。野﨑さんは「あまり徒歩の人はいない道で、当時は気温も低かったので、迷われているのかなと思い声を掛けました。このままでは低体温症などの危険性もあったため、車の中で話を聞いていました。女性は『家に帰りたい』と話していました。ご家族のもとに無事に帰られたことがよかったです。感謝状をいただいたことは嬉しいのですが、一緒にした妻が女性に話しかけて落ち着かせていました。妻にも感謝しています」と語った。