別府市は、2回にわたる実証運用を経て、11月から生成AI(チャットGPT)の運用を本格的に始めた。
チャットGPTは、米国のオープンAIが公開した、自然な文章を生成する人工知能(AI)。質問を理解して、まるで人間が書いたような文章をつくるAIサービス。生成AIを活用することで、職員が日々行う業務の効率化を図り、市民サービスの向上に力を入れることを目指している。
セキュリティを考慮して、AIが質問・回答を学習しない構成で、セキュリティが確保されている行政専用のネットワークに配置されたシステム内で利用する。
8月3日から9月8日までに第1弾、9月26日から10月25日までに第2弾の実証運用を行った。第1弾では、説明会には168人が参加し、41課で1778回利用された。アンケート調査を行った結果、90人が回答し、利用頻度は「ときどき利用」が70%ともっとも多く、「最初に1度利用」27%、「利用していない」1%で、「ほぼ毎日利用」と答えたのは2%に留まった。利用した業務(複数回答)では、37%が「文章の案の作成支援」、「アイデア出し・案出し」25%、「知りたい情報の検索」15%、「プログラミング作成支援」11%、「仕事に関する相談・アドバイス」8%などとなっている。
業務効率については、「大幅に上がると思う」と「上がると思う」が87%でほとんどの人が業務効率が上がると感じている。生成AIの回答について「おおむね適切な答えだった」が48%となった一方で、「適切な時と適切でない時が半々だった」と答えた人も46%いた。利用することで、新たなアイデアや知識を得ることが出来たかの問には、68%が「はい」と答えた。
生成AIは便利な反面、リスクもあることから、市では▽質問に機密情報や個人情報を含めない▽回答内容はすべて信じるのではなく、事実確認を行うとともに、そのまま利用せず、参考資料として扱うこと▽公用でのウェブ版(無償)のチャットGPTを利用しない、ことを徹底した。そのため、利用した職員の中には「確認作業で二度手間になる」「一から考えながら作った方が効率的ではないか」などの意見もあったものの、「今後も利用したいか」には「はい」が92%と利用した多くの職員が成果を感じていることも分かる。第2段の結果は、現在まとめている。
市では、リスク管理を徹底しながら、文章案の作成支援、アイデア出しや案出しの支援、情報の検索と要約、表計算ソフトの関数などのプログラミング支援など、幅広く業務を支援していく考え。