別府市と株式会社アステム(吉村次生代表取締役社長)は15日午後2時、別府市役所で認知症に関する包括連携協定を結んだ。
アステムは、医療用品、医療機器・設備などの卸販売などを行う会社で、福岡県と大分県に本社を置いている。以前、フォーラムで吉村社長と長野恭紘別府市長がパネリストとして一緒に登壇した際に、認知症対策で連携が出来ないかということになり、協定を結ぶことになった。アステムが自治体と連携を結ぶのは10カ所目。
認知症であっても尊厳と希望をもって日常生活を過ごせる地域づくりの推進や、市民生活の質の向上、健康寿命の延伸に寄与するのが目的。
長野市長と吉村社長が協定書に署名。吉村社長は「認知症は、2025年には700万人に達すると言われており、65歳以上の5人に1人が罹患すると言われています。本人はもちろんですが、家族にも大きな負担となる。しかし、現在では、進行を抑止するだけではなく、早期なら治癒が確立されつつある。市民の発症予防、重症化予防に連携して取り組みたい」。
長野市長は「具体的な話し合いを行い、道のりは長かったが、実りのある協定が結ばれたと思います。認知症の問題は、別府だけではなく、社会的な課題。アステムの知見などをいただきながら、新湯治・ウェルネスツーリズムと相乗効果を期待しています。社会的に意義のある協定だと思います。ここで、チャレンジングな取り組みができれば」とそれぞれあいさつをした。
協定により▽認知症に係る医療等の分析事業▽認知症・フレイル予防プログラム▽認知症施策に推進に関する連携強化、を行う。
すでに今年度から、運動プログラムや専門医などによる健康講座を連携して実施しており、教室の状況から、ICTを活用した「見える化」を図っている。今後、詳細な分析をして予防に必要な情報などを、市民に啓発していくことにしている。