全国保育研究大会の大分大会

全国保育研究大会の開会式が
ビーコンプラザで開催された
全国から約1700人が参加した

 第66回全国保育研究大会大分大会が16、17日に別府市、大分市、由布市で開催された。スローガンは「すべての人が子どもと子育てに関わりをもつ社会の実現をめざして」。全国社会福祉協議会・全国保育協議会、全国保育士会、九州社会福祉議会連合会保育協議会、大分県保育連合会が主催で、全国から約1700人が参加した。これまでコロナ禍で中止やオンラインで開催しており、一堂に会して開催するのは、4年ぶり。
 開会式は16日午後1時、別府市のビーコンプラザで開催された。主催者の奥村尚三全国保育協議会長が「保育を取り巻く状況は、大きく変化しています。情報を共有し、国へ提言や処遇改善などの要望を重ねてきました。様々な活動に取り組む必要があると思います。保育の質の向上を実現していきたい。保育全体の発展につなげていきたい」。金井正人全国社会福祉協議会常務理事、佐藤茂己大分県保健連合会長もあいさつ。
 来賓の佐藤樹一郎大分県知事は「コロナ禍の大変厳しい中で、子どもたちの安心、安全のために大変な役割をしていただき、感謝します。県は『子育て満足度日本1』を目指して、切れ目のない支援に全力を注いできました。保育ニーズは高まっている」と祝辞。元吉俊博大分県議会議長と地元の長野恭紘別府市長もあいさつをした。
 佐久間勝之県保育連合会準備委員会副委員長が▽社会や地域の課題に向き合いながら、保育の質を高めていくために日々研さんする▽子どもたちの安全・安心を守るとともに、自然災害などの被災地における子どもや子育て家庭への支援に取り組む▽子どもの虐待や貧困などの課題の解決につながるよう、社会からの要請や地域の子ども・子育て支援ニーズに応え、保育の専門性を活かした地域の身近な児童福祉移設としての機能を充実させ、ともに生きる豊かな地域社会の実現を目指す
 ▽保育の理念を未来の世代に繋いでいくためにも、働きがいと魅力のある職場となるように努めるとともに、社会に対して保育士・保育教諭等の専門性と魅力を発信する▽人口減少地域をはじめとして、それぞれの地域における保育所・認定子ども園等の役割や機能を果たすために、経営の透明性の確保・向上を進め、公益性を発揮するとともに、「こどもまんなか社会」の実現に向けた制度改革に対し、必要な提言を行い、これからのよりよい保育を実現するーとした大会宣言を行った。
 奥村会長が「保育をとりまく課題と全保協の取り組み」と題して、基調報告。小巻亜矢株式会社サンリオエンターテイメント代表取締役社長が「あたたなかなまなざし」と題して記念講演を行った。
 17日は、別府市、大分市、由布市に分かれて、全保協将来ビジョンに示した5つの取り組みカテゴリーをもとに、11の分科会に分かれてテーマに沿って研究が行われた。