別府市教育委員会はこのほど、「別府の子どもたちの未来を語るシンポジウム~ICT(情報通信技術)でつなぐ学校と社会の未来~」を市役所で開いた。教職員や保護者ら約60人が参加。
コロナ禍でGIGAスクール構想が進められ、1人1台端末が貸し出され、授業で活用されている。タブレットを活用して、学校、家庭、地域、社会のそれぞれいかに繋がっていくべきかを語る合うことで、子どもたちを取り巻く社会のよりよい関係の構築について探るのが目的。
立山博邦立命館アジア太平洋大学准教授、鳥居健介教育アクティビスト、中村恭子NPO法人ベップ・プロジェクト代表理事、松岡烈市立別府中央小学校教諭、土井敏裕株式会社Doit代表取締役がパネリストとして登壇した。テーマは▽急激に発展する情報化社会の中で、どのような子どもが育ってほしいか▽ICTの活用について▽子どもたちが生きる社会の未来。
現場でタブレットを活用している松岡教諭は「正しい情報を選択できる知識、感性を身に着けてほしい。SNS(ソーシャルネットワークサービス)で情報を得ることが主流で、興味があるものばかり見るため、情報が偏りがちになる。情報が多い現代に合わせた教育で、情報が正しいかどうか判断できる子を育成することが必要」と話した。立山准教授は「社会に出ると、誰も正解を教えてはくれない。学びは生涯続く。何が正しい情報かを区別する力、吟味する力が必要」。
タブレットの持ち帰りについて、まだ進んでいない面があり、鳥居さんは「怖い面はあるので、無制限というわけにはいかないと思うが、大人はどうなのか。必要な時に使っている」と指摘。不安な面だけを見るのではなく、適正な利用を促した。