別府市二十歳のつどいに787人が出席

ビーコンプラザに集まった二十歳の参加者
誓いの言葉を述べる林実桜さん

 別府市、別府市教育委員会は「令和6年別府市二十歳のつどい」を7日正午、ビーコンプラザ・フィルハーモニアホールで開催した。市内で今年20歳を迎えたのは、男性・女性各794人の計1588人。そのうち、男性411人、女性376人の計787人が晴れ着やスーツなどで出席した。また来場できない新成人のために、会場の様子をオンライン配信した。
 式の最初に、出席者全員で1日午後に発生した令和6年能登半島地震で尊い命を失った犠牲者に対して黙とうを捧げた。国歌斉唱時の演奏を、陸上自衛隊第41普通科連隊音楽隊が行った。
 長野恭紘別府市長が「失敗は些細なつまづきで、最終的には成功させるテクニックを得ることができます。失敗というのはこの世にはないと思う。失敗があるとするなら、それは挑戦しないで終わること。別府市は今年、市制施行100周年を迎えます。この場にいる皆さんが二十歳を迎えるということは偶然ではありません。素晴らしい別府を作ってくれた先人に感謝し、今を生きる私たちも将来のために素晴らしい別府を引き継いでいく責任があります」と式辞。
 寺岡悌二教育長が「20年間と長きにわたり、多くの人に支えられて本日を迎えられました。今日を境に、社会を作る一員としての覚悟とこれまでお世話になって育てていただいた皆さんへの感謝を忘れずに心に刻んで、人生の新しい一歩を踏み出してください」。
 来賓の加藤信康市議会議長は「2020年、新型コロナが国内で確認されて以降、私たちは経験したことのない困難に直面いたします。皆さんはあらゆる経験が、心身に成長につながる大変貴重な時期に多くの学校行事が中止となり、さまざまな行動制限が課されるなど大変な苦労をしました。対面の制限は、タブレットの導入やテレワーク、オンライン授業などICT化を推進し、生活を大きく変容させました。ますます多様化した社会は、非常に便利な反面、選択肢の多さに戸惑い、ときには生きづらさや孤独を感じる場面が増えるかもしれません。今年、二十歳を迎える若い皆さんが、安心して暮らしていける町にするよう別府市議会も一層尽力していきます」とそれぞれ祝辞を述べた。
 佐藤樹一郎県知事の祝電が披露され、岩屋毅衆議院議員からの祝電が紹介された。
 二十歳代表として林実桜さん(朝日中学校出身)が「この20年間、楽しいことも辛いこともたくさんありましたが、どんなことでも乗り越えてこれたの家族や仲間のおかげだと心から感謝しています。これから私たちは大人の仲間入りをします。今までとは違い、自分で責任を取るべきことが増え、周りからも大人としての扱いをされるようになります。このネット社会の中では、正しいのか分からない情報が周りに溢れており、大人でも情報に振り回されることがあります。責任ある大人になるためにも、正しい情報を見分け判断する冷静さを持ち、自分の頭で考え行動していきたいと思います。一瞬一瞬の出会いを大切にし、今日という日を忘れずにそれぞれの場所で、大人であることの自覚と覚悟を持ち、自分を忘れず輝いていきましょう」と誓いの言葉を述べた。
 式典終了後、中学校時代の教員からのビデオメッセージ上映があり、それぞれの卒業校がスクリーンに映し出されると歓声が起きた。続いて、実行委員会が企画として抽選会が行われた。
 式典前後の玄関前やエントランスホールでは、友人との再会を喜んだり記念撮影をする姿があった。
 谷口亜蓮さん(学生)は「弁護士になるため、法律の勉強を頑張る」。
 植村勇太さん(学生)は「大学でペルシャ語を専攻しているので、イランに留学したい」とそれぞれ目標を話した。