(株)別大警備保障会長の神田剛さん(81)=明豊会名誉会長=が自身の年齢と同じ数の硬式ボール81球を10日午後3時、実相寺の明豊グラウンドで明豊高校野球部(1、2年生58人)に寄贈した。野球部を甲子園の「常連」に育て上げようと、毎年恒例の事業としている。今回で5年(回)目。
寄贈式では、神田さんが「春の選抜出場校が26日に決まりますが、それまで体調を管理しケガの無いように万全の態勢でいてください。この寄贈は77歳のときに何かしたいと考えて、始めたもの。九州大会、県予選のすべてを応援していますが、皆さんは球場で光り輝いています。元気でいる間は、皆さんの応援をしていきたいと考えています。甲子園は独特の雰囲気があり、大観衆の中での試合で『明豊、ここにあり』という思いで頑張り、甲子園のセンターポールに明豊高校の旗を挙げてほしい。90歳の誕生日には、バッティングマシーンを寄贈します」とあいさつ。
神田さんから硬式ボールを受け取った山内真南斗主将は「野球の結果で恩返しできるように、練習をしていきますのでこれからも応援をよろしくお願いします」と述べ、部員全員で「ありがとうございます」とお礼を述べた。
贈呈式終了後、野球部員はさっそく練習に入った。
川崎絢平監督は「この硬式ボールの寄贈は、本当に嬉しい。いろいろな練習をする中で、一番必要なものがボール。年間で3千球以上使うし、投球練習、バッティング、ノックを色んな場面で使うため、消費が激しい。この公式戦で使う最高級のボールを使って、大会に向けて生徒をしっかりと鍛えます。生徒たちは、感謝の気持ちを改めて感じてほしい。試合に勝ち、皆さんに少しでも喜んでもらうことの結果で恩返しをしたい。ボールとしての一球も大事だし、プレーする中での一球も大事。物としての一球を大切にできないと、試合での一球で負けてしまう」と語った。
明豊高校野球部は、これまで甲子園に春5回、夏9回の計14回出場。神田さんが寄贈してからは毎年、甲子園に出場しており、19年は春、20年は夏(交流試合)、21年は春(準優勝)・夏、22年は夏、23年も夏に出場している。
26日に春の選抜出場校が決まる。明豊高校は2023年高校野球秋季九州大会で準優勝しており、甲子園で準優勝した21年以来の3年ぶり6回目の選抜が濃厚となっている。