防災に備える「県土強靭化」

佐藤樹一郎らによる
特別人員・服装点検を行った
消防団と大分海上保安部による
一斉放水訓練を行った

 別府市消防出初式(市、市消防本部、市消防団主催)が14日午前10時、的ケ浜のスパビーチで開催され、多くの市民が見守った。
 はじめに、消防車両4台、消防団車両22台が車両パレード。消防本部142人、消防団本部、女性分団、20ある地域の消防団から394人が分列行進し、市民ボランティアも入場した。
 国旗掲揚後、参加者、来賓、市民が、これまでの消防職員、団員の殉職者と元日に発生した令和6年能登半島地震犠牲者に黙とうを捧げた。
 続いて、今回は佐藤樹一郎大分県知事が立ち会い。浜崎仁孝市消防長と藤内英伸市消防団長から人員報告を受けた長野恭紘市長が、特別人員・服装点検を行った。
 消防団員に表彰状を手渡した長野市長が「南海トラフ地震や津波、火山災害のリスクを抱える別府市にとって、他人事では無くいついかなる場合でも万全の態勢を整えておかなければなりません。激甚化するさまざまな自然災害への備えが喫緊の課題です。別府市は市制100周年を迎えます。それを契機に、引き続きあらゆる災害に対する消防活動体制の強化や地域防災力の向上、救急活動体制の整備と各種施策を通じて行政と消防団が一丸となって市民や観光客が安全安心に過ごせる町の実現を目指していきます」と訓示。
 来賓の佐藤県知事が「元日に発生した令和6年能登半島地震では、度重なる地震、津波、火災により大規模な人的被害、建物被害などが発生しています。指摘されています南海トラフ地震は30年以内に70~80%の確率で発生するとされ、本県でも津波による甚大な被害が懸念されます。災害への備えを考えるとき、地域防災の中核的存在の消防団に対する期待はますます大きくなっています。県土の強靭化を一層進めるとともに、市町村、防災関係機関などと連携し人命を守ることを最優先にし、災害に強い基礎作り、地域作りを推進しています」、このあと加藤信康別府市議会議長が祝辞を述べた。次いで来賓が紹介。
 ひめやま幼稚園幼年消防クラブが「みんなでみんなのお正月」など3曲を鼓笛演奏、別府翔青高校書道部が書道パフォーマンスを披露した。
 20の分団が別府湾に向けて水平・垂直で放水した後、「扇山」をかたどった放水を行った。また大分海上保安部巡視艇「ゆふぎり」も海上から放水すると、市民から歓声があがった。
 大平順治市連合防災協議会会長が万歳を三唱した。
 また、会場内では先着500人に紅白もちを配布。参加者や見学者は、日本赤十字社大分県支部別府地区奉仕団が用意したコーヒー、カフェオレ、お茶、紅茶で暖を取った。
 出初式での被表彰者は、次のとおり。(敬称略)
 ▽別府市消防団長表彰(勤続10年表彰)=藤谷香保里(女性分団部長)、内藤圭亮(第1分団団員)、庄範人(第4分団班長)、佐藤裕明(第5分団団員)、山村正行(第6分団団員)、荒金大介(同)、小野考司(第7分団班長)、河野信真(第9分団2部団員)、是永義人(第11分団班長)、吉田拓司(同分団団員)、江藤大悟(第13分団団員)
 ▽別府市長表彰(勤続15年表彰)=村上和隆(第3分団団員)、秦雅宏(第7分団部長)、山本真(同)、内田剛(第8分団2部班長)、伊藤常次(第10分団2部団員)、田原貴久男(第14分団班長)、佐藤隆文(第15分団団員)