未来創造プロジェクト実践交流会

これまでのボランティア活動を
発表する中部中学校の生徒たち

 大分県教育委員会は、令和5年度大分っ子「未来創造プロジェクト」実践交流会を3日午後0時20分、別府市のビーコンプラザで開催した。
 大分の地域・社会や産業界と連携して、地域のよさを生かしたPR活動やものづくり、商品開発などの行動を伴った探究的、協働的な学習を通して学んだことや、取り組みの成果と課題を他の中学校の生徒と話しをすることで、持続可能な社会の在り方について考え、自らの生活や行動に生かそうとするようにするのが目的。今年度からスタートしたキャリア教育の一環。
 開会式で、小野勇一県教委義務教育課長が「自分たちで考え、地域に働きかける探究活動の取り組みが出来たと思います。地域の良さを1つでも言えますか、課題を1つでも言えますか、解決策が1つでも浮かびますか。大きな社会の変化に直面すると思いますが、地域や社会の課題を見つけ、考え、実践することで持続可能な明るい社会につながると思います」とあいさつ。
 別府市立中部中学校、中津市立本耶馬溪中学校、臼杵市立野津中学校、佐伯市立米水津中学校、竹田市立直入中学校、日田市立大明中学校が地域の課題と解決に向けた取り組みなどを発表した。
 中部中学校は、3年生の松島綾香さん、山本悠貴さん、生駒俊二さん、工藤渚咲さんがこれまでのボランティア活動について発表をした。工作の授業で出た廃材を再利用して、作品をつくり販売した益金で豪雨被害を受けた秋田県五城目町に寄付したり、老人福祉施設との交流、手作りのお守りをドライバーに配って交通安全を呼びけた。他にも、地域と連携した清掃活動、校内環境ボランティア、学校の石垣で古くなった校名のペイントをやり直すなど、様々な活動を動画で紹介した。
 また、生徒会で毎年歳末たすけあい募金に協力したり、今年1月に発生した令和6年能登半島地震の被災者のために「自分たちが出来ることを」と急きょ募金活動を行った。今後も福祉介護施設に車椅子を寄贈する予定。生徒は「これからも私たち3年生は、『自分の力を人の為に活かす』活動を実践していきます」と話した。成果として、地域への貢献ができたこと、ボランティアの輪を広げられた一方で、課題として地域交流の場を広げることや積極性・企画力を育て繋げることをあげた。
 本耶馬溪中は、貢献活動を続け、地域に観光客らを増やせるのかの課題を行動することで、解決につなげたいと話し、継承した盆踊り「やばけいばやし」を披露。米水津中は、ほとんどが柑橘農家であることから、学習サポーターの協力でみかん園を運営していることや、後継者不足解決のため栽培マニュアルを作成したことなどを発表。
 野津中は、「影で努力している人のおかげで、安全に農作物を食べられている」とし、野津の農作物の魅力を伝えた。直入中は、日本一の炭酸泉があるこをあげ、修学旅行先の京都で「直入観光大使PR活動」を行った。2年前から取り組んでいる活動で、今年はデジタルパンフレットを作成して配布したことなどを発表。大明中は、小中一貫校の特色を生かした活動を紹介。地域とふれあいあいさつ運動や一人暮らしのお年寄りに敬老はがきと年賀状を送り交流していることなどを説明。九州豪雨での被害を通して、地域振興について考えたことを発表した。
 発表後、各中学校ブースで取り組みを紹介。「地域・社会の一員として次に私ができること、したいこと~地域課題の解決に向けて、地域・社会と連携して取り組んで探究的な学習を踏まえて~」をテーマに、グループディスカッションを行った。