別府竹細工伝統工芸士に認定

新しく別府竹細工の伝統工芸士に
認定された亀井さん(前列中央)、
松田さん(前列左から2人目)、
一木さん(前列右から2人目)

 一般社団法人伝統的工芸品産業振興協会が実施する「伝統工芸士試験」に合格した別府竹細工の3人が11日午後2時、長野恭紘別府市長に認定報告をした。
 伝統工芸士認定制度は、同協会が産地のリーダーとして後継者の育成など、産地振興を担い得る、伝統的な技術・技法の熟練者を「伝統工芸士」として認定するもの。伝統工芸士は、伝統的工芸品産地において、伝統的工芸品の製造に従事し、12年以上の実務経験を有する者で同協会の実施する「伝統工芸士試験」(知識、実技、面接により行う。知識試験は各産地共通の内容)に合格した者をいう。
 別府竹細工の伝統工芸士は2月25日の時点で17人、うち女性は2人。今回の認定は、平成30年に3人が認定されて以来となる。
 出席者は、別府竹製品協同組合の岩尾一郎理事長、大谷健一専務理事、同日付けでの新規認定者の亀井真次さん(51)、松田浩樹さん(54)、一木律子さん(48)。
 岩尾理事長が経緯を説明し「6年ぶりの伝統工芸士。実務経験が12年以上という基準があります。経産省では県立の訓練センターも含めて12年で良いのですが、我々は卒業後12年続いてくれた人にしています。現在、女性は2人で別府竹細工の伝統工芸士を返上した女性がいたため、現状は一木さんが2人目となりました」と解説。
 長野市長が「今や世界一クールな竹を押し出しています。我々も一生懸命発信していきますので、こういう取り組みが、というものがあれば、教えていただければ…」と述べた。
 別府市出身で21年に大分県立竹工芸訓練センター修了、22年に同センター中堅技術者養成指導修了後に独立した松田さんは「別府竹細工をもっと盛り上げていけるように精進します。認定されたときは、今まで以上に責任を持って作っていかないといけないと感じました」。
 別府市出身で8年に(有)亀井竹工芸所入社し伝統工芸士で父の亀井昇学(学)氏を師事、26年に手づくり工房かめいを立ち上げた代表の亀井さんは「日常生活で使えるものを作っていきたい。特に台所周りで使えるものを作りたい」。
 大分市出身で22年に大分県立竹工芸訓練センター修了し、28年に「studio竹楓舎」の大谷健一氏を師事した一木さんは「これからは別府竹細工がもっと多くの人に知ってもらえるように、私自身もしっかり頑張っていきたいと思います」とそれぞれ話していた。