別府市消防本部は、24日に行われた「熱中症対策健康会議」で、令和2年から5年の熱中症(疑いを含む)の救急搬送について説明を行った。
令和2年は43人、3年は53人、4年は96人、5年は78人で、4年間で搬送されたのは、計270人となっている。
4年間の平均でみると、月別では8月が37・8%と最も多く、次いで7月が35・9%となっている。1、2、12月の寒い時期は0%だが、夏場以外でも人数は少ないものの、搬送事例がある。
時間帯別では、10時から11時が18・9%、14時から15時が17%、12時から13時が16・7%と日中が多いが、4番目に多いのは、午後4時から5時の14・3%、午後6時から7時も10・4%と夕方になっても暑さが続き、搬送されるケースが見られることが分かる。
年代別では、高齢者(65歳以上)が70・7%、成人(18歳以上65歳未満)22・6%、少年(7歳以上18歳未満)5・9%、乳幼児(生後28日以上7歳未満)0・7%となっており、多くが高齢者。
発生場所別では、住宅が54・8%と半数以上、公衆(学校や運動競技場など)は21・1%、道路13・3%、仕事場8・1%、その他2・6%。熱中症というと、屋外で発症するイメージが多いかもしれないが、屋内で発症するケースが多くみられる。
傷病程度別では、半数近い51・1%が「軽度」だが、「中等症」も45・6%。死者はいない。入浴が起因する熱中症及び脱水の疑いでの搬送者数は、令和2年11人、3年14人、4年6人、5年10人だった。
国は、これまでの「熱中症警戒情報」に加え、今年度から「特別熱中症警戒情報」を新たに設置。都道府県内の全ての地域で暑さ指数情報提供地点における翌日の日最高暑さ指数が35に達すると予測される場合に発表される。これまでの指数の最高は34のため、35は今まで経験したことがない暑さということになる。
指定暑熱避難施設(クーリングシェルター)制度を創設し、特別熱中症警戒情報が発表されると、市民らに暑さを避けるための場所として開放する。施設は、市町村長が要件を満たす場所を指定することが出来る。
ここ数年、「酷暑」が続いていることから、行政と民間が協力をして対策を行うと共に、市民一人ひとりが自らの命を守るための行動を意識することが大切になる。