佐藤樹一郎大分県知事、県政の基本方針③

【元気分野 みんなで実現する元気な農林水産業】

 自然豊かな大分県内に広く展開している農林水産業は、地域活性化や地方創生にとってたいへん大事な産業。
 R4年度農業産出額は3年連続増の1245億円(前年比+17億円)。※3年連続増加は、九州では熊本県と大分県の2県のみ。
 農家1戸あたりの産出額、農業所得は増加傾向にあるものの、原材料、資材価格高騰の影響から、生産農業所得は微減。
 具体的な取り組みとして、園芸産地の拡大に向けた大規模園芸団地の整備促進や、全国豊かな海づくり大会の開催を契機とした県産水産物の消費拡大に取り組む。

▽大規模園芸団地整備促進事業(5643万円)
 県・市町・関係団体が一体となった大規模園芸団地の整備を推進するため、モデル団地の整備を含めた計画的な団地化に取り組む。
 市町が行う園芸団地化プラン作成への支援、農地の再編整備に向けた農地情報カルテの作成、園芸団地の担い手となる経営体とのマッチング意向調査の実施など。
▽「全国豊かな海づくり大会」開催事業(5億731万円)
 水産資源の保護や、海や河川の環境保全の大切さを国民に訴えるとともに、漁業の振興と発展を図るため、第43回全国豊かな海づくり大会及び関連行事を開催する。
 ・期間 令和6年11月9日(土)~10日(日)
 ・会場 iichiko総合文化センター、別府湾第4埠頭 など
 ・内容 式典行事、会場歓迎、放流行事など
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【元気分野 元気な経済を創出する産業の振興】

 県内の景気は、個人消費や観光などを中心に緩やかに回復している。日銀・大分県内の景気動向(2024年3月公表分)「大分県内の景気は、緩やかに回復している」
 消費者物価指数(全国・2024年3月)=106・8(2020年=100)、前月比+0・3%、前年同月比+2・6%
 消費者物価指数(大分市・2024年3月)=105・1(2020年=100)、前月比+0・1%、前年同月比+2・0%

 いずれも高水準が続いており、物価高騰が消費マインド等に与える影響を一 層注視していく必要がある。

・2024年春闘【全国】連合第3回回答集計(2024年4月4日)
 賃上げ額16037円、賃上げ率5・24%(昨年同時期比 4923円増、1・54ポイント増)
・2024年春闘【大分】連合大分第1回回答集計結果(2024年4月9日)
 賃上げ額16018円、賃上げ率5・69%(昨年同時期比 6702円増、1・92ポイント増)
 具体的な取り組みとして、物価上昇局面の賃金引上げの実施に向け、生産性向上に取り組む中小企業等を支援。

▽中小企業等業務改善支援事業(6600万円)
 生産性向上による持続的な賃上げを実現していくため、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた県内の中小企業・小規模事業者が行う設備投資等を支援する。
▽物価高騰対応業務改善奨励金の拡充
 対象者は国の業務改善助成金の採択を受けた中小企業等。補助率は業務改善に要する経費の自己負担分の1/2。限度額は75万円又は国助成金額のいずれか低い方。就業規則の変更等にかかる経費の助成は補助率=10/10、限度額=10万円。
▽賃上げ枠10事業(7億718万円 ※12月補正予算前倒し分も含む)
 事業所内の給料・賃金等支給総額が事業実施前と比較して1・5%以上増加している事業者に対して補助率・補助上限を上乗せして支援。
▽中小企業等省力化・生産性向上支援事業(3億8380万円)
・令和5年12月補正予算にて措置して繰り越しへ。
 国の総合経済対策を活用した省力化設備導入等への上乗せ補助(省力化・IT補助金)。国の補助金(中小企業省力化投資補助金)の申請受付が近日、開始される見込みであるため、県においても事業周知を徹底する。
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【元気分野 元気な経済を創出する産業の振興】

 4月から「福岡・大分デスティネーションキャンペーン(DC)」がスタート。
 4月6日には、団体臨時列車の歓迎セレモニーやオープニングイベントを大分駅で開催したところ。お客様の中には、お出迎えに感動された方も多く、大分県の強み「おもてなしの心」を全国に向けて発信できたと思っている。
 4月1日から大分駅前に設置したバルーンこけし「花子」は、多くの駅利用者が写真撮影するなど、キャンペーンのランドマーク的な存在になっており、多くのメディアにも取り上げていただいている。
 アート作品を県内各地に展示するオオイタカルチュラルエキスポ24や、魅力的な観光スポットを効率的に回れる周遊バスなど、6月までの期間中、県内各地で、様々なデスティネーションキャンペーン関連の特別企画、イベントが開催される。県民の皆さんにも参加いただき、県内観光地の魅力を再発見していただきたい。
 大分県観光統計調査(R5速報値)は、R5の延べ宿泊客数は、ほぼコロナ禍前 (R元年)の水準(91・0%)まで回復(外国人も同様(98・4%))。
 大阪・関西万博等の国際イベントも見据え、東アジアのリピート層に加え、欧米豪(特に、米国)からの誘客対策にも取り組む。
 R6年から国際線が充実、さらなる拡大を目指したい。
 具体的な取り組みとして、福岡・大分デスティネーションキャンペーンの成功や積極的な海外プロモーションを通じて、観光の「完全復活」に取り組んでいる。  (つづく)